「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ
不思議な話
佐藤 拓雄
(2020/06/24)
以前も書きましたが、去年の夏、次男の要望で飼ったつがいのカブトムシが、秋に卵を産んで40匹近い幼虫がかえり、一部を人に分けたりしつつ、大切に育ててきました。
子どものいる家庭で生き物を飼う場合の「あるある」だと思いますが、結局、一生懸命世話をしてきたのは親の私。
食欲旺盛な幼虫たちのために土を何度も入れ替え、糞を取り除き、土の状態を毎日確認し、場合に応じて飼育箱をも交換し・・・と骨の折れる作業でしたが、我ながらなかなか頑張りました。
そうした世話の甲斐あってか、どれも丸々と大きく育ち、3月初めには、一匹ずつボトル状の容器に引っ越しさせ、サナギになるのに備えました。
そして、先日、ついに何匹かがサナギになっているのを発見!
他の幼虫たちも、土の中に部屋を作って、そこに収まり、サナギになる準備ができたようです。
先月あたりは、一日中、カサカサという音を立てて活動しているようで、何だろうと思っていましたが、どうやらこれは、この部屋作りの作業を盛んにしていたのだろうと納得。
誰に教えられるわけでもないのに、準備を着々として、自らの体を変化させ、成虫になっていく。
自然の営みの不思議さを感じずにはいられません。
一方で、こうして手をかけて大切に育てていても、どうしても死んでしまう幼虫がいます。
同じ環境のはずなのに、あるものはたくましく育ち、あるものは生きていけなくなってしまう。
これもまた不思議でなりません。
自然の摂理、自然淘汰といった言葉で収めてよいものなのか。
分からないことだらけですが、目下15匹。ボトルに入って【写真】のようにリビングに鎮座しています。
このままどれもが成虫になってくれることを願う毎日です。
一つ悔やまれるのは、世話に一生懸命になり過ぎて、ほとんど写真を撮っていなかったこと。撮影チャンスだったであろう、飼育箱や土の入れ替えの際も、寒い時期のベランダで、幼虫たちを一刻も早く土に戻してやらないと、という気持ちばかりで、手早く作業を進めることしか考えていませんでした。
明日は、下山アナウンサーです。