「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ
オンライン
寺田 早輪子
(2021/09/27)
アナウンサーになって初めてイベント司会を務めることになった時、先輩にいただいたアドバイスがあります。
「会場の前の観客ばかりでなく、後ろの方のお客様にも、左右のお客様にも届くように、語りかけましょう。」
台本をただ読むのではなく、お客様の反応を感じながら語りかけることが大事なのですよ、という言葉を頂きました。司会や講演をする際にはこの言葉を常に頭において務めてきました。
そんな私が今、直面しているのがオンラインイベントでの司会業の難しさ…。
先日、とあるオンライン講演の司会を担当したのですが、講師以外の参加者が皆、『カメラOFF』『マイクOFF』だったため、一体、どんな表情で聞いているのかが全く分からず、未知の難しさでした。
聞き手の息遣いすら全く感じられない中で、「私だけが喋りまくっていて、ひょっとすると、みんな、もう聞いていないんじゃ…」なんて不安もよぎったりして…。
そこで、私なりに解決法を探ってみました。思えば、毎日のニュース番組の生放送も、スタジオではカメラに向かって情報をお伝えしています。視聴者の皆様がスタジオで観覧しているわけではありません。それでも「見ている人に語り掛けるように伝える」ということを意識して放送しています。
それは、アナウンサーになって23年の間に取材で出会った方々の顔や表情、いただいた言葉の積み重ねが私の中にあって、カメラの向こうにテレビを見てくださっている皆さんを感じながら、語っているからです。
初めからそれができたわけではありません。私が、人の温度を感じながら語れるようになったのは、取材で出会えた皆さんのおかげさまです。ありがとうございます。
パソコンの画面に人の温度を感じながら語れるようになるには、やはりこれまでと同様に23年…かかるのでしょうか??
…頑張ります !!
☆写真は…「仙台放送Live News イット!」月曜~水曜メンバーと(^^)
「アナ・ログ」 続いては堤アナウンサーです。