「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ

卒業あれこれ
寺田 早輪子
(2022/02/28)


卒業式で制服の第二ボタンを好きな人からもらったことがありますか?
私の通っていた中学校の男子の制服は学ランだったので、卒業式の後、好きな先輩が出てくるのを友達とワー、キャー、言いながら待っていたのが懐かしいです。
ところで、私の中学校の女子の間では、もう一つ、卒業式後の恒例の風習がありました。
それは、憧れの女子の先輩から「ネームプレート」をもらうというものです。
高校に進学してなかなか会えなくなる憧れの先輩から、その名が刻まれ、胸元に3年間ピッタリと縫い付けられていた「ネームプレート」を私だけのものにするという、何とも胸が高鳴る風習でした。
何なら、男子の先輩から、体育館の裏や校門を出た後に、こっそり第二ボタンをゲットするよりことも、女子の先輩からネームプレートをゲットする方が、
みんな遠慮なく、堂々と、先輩の元に「熱く」攻め込んでいた気がします。
中1の時は、2つ年上のテニス部の副部長だった憧れの先輩のネームプレートを頂きました。彼女は細身で、白々。切れ長の目がとてもクール。ロングのおさげ髪がチャームポイント。普段は物静かで、とても素敵でした。
当時、彼女のネームプレートを狙っていた同級生や2年生は他にもたくさんいました。
私は「誰にも先輩(のネームプレート)は渡すまい!」と、卒業式後、昇降口の先輩の下駄箱付近で「出待ち」までしました。
…ちょっと怖いですね…。
先輩がその場でネームプレートを外して「はい!」と手渡された時は、男子に告白するより、ドキドキして赤面し、もうなかなか会えないという思いがこみ上げ、「お元気でぇぇ~!!!」と涙が止まらなかった…そんな記憶があります。

今は私服の高校も多く、「ネームプレート」もあまり使われてないのでしょうか?
また、制服があっても学ランではない学校も増えていて、「第二ボタン」の風習も今はもうないのでしょうか?
ちょっと寂しい気もいたします。

☆写真は…、「ともに」スタジオにて。
続いては、堤アナウンサーです。


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