「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ

好きな言葉
寺田 早輪子
(2022/04/28)


先日、息子が持ち帰った学校からのお便り。
ある先生が紹介した詩が心にずっしりと重く響きました。
それは、作家・茨木のり子さんの詩『自分の感受性くらい』です。

「自分の感受性くらい 自分で守れ ばかものよ」

読むたびに、自分のちっぽけさを思い知らされます。
目まぐるしい社会の変化や、溢れる情報、変わっていく環境に感情が揺さぶられ、右往左往してしまう。そんな小さな自分に嫌気がさします。

この詩はかなり以前にも読んだことがあり、その時も「もっと心を鍛えなければ…」と自戒したはずなのですが、
…人は、悲しいかな、日常の喧騒の中でいろいろなことを忘れていくもの。

この言葉に触れる時、毎回、自分の器の小ささ、未熟さに打ちのめされそうになりますが、
その一方で、厳しい言葉だけれど、「どんな環境でも、自分の芯を見失うなよ!」と??咤激励されているようにも感じるのです。

この詩が書かれた頃と今とでは時代背景が異なりますが、本当に心に刺さってくる言葉です。
コロナ、戦争、災害…、混沌とした時代に、心を揺さぶられないで過ごすことは多分、無理でしょう。
でも、この詩はいつでも読み返せるように心のポケットにしまっておこうと思います。

☆写真は、番組のナレーション収録の様子♪

アナ・ログ「好きな言葉」は私がアンカーでした。
次のお題は「理想の休日」。トップバッターは下山アナウンサーです。


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