「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ
読書の秋
金澤 聡
(2007/10/17)
秋の夜長にじっくり読書することのなんと贅沢なことか。
最近特にそう思うようになりました。寄る年波でしょうか、なんでしょうか…。
学生の頃は時間がありすぎてありすぎてその穴埋めに読書をしたり、
長い長い春休みや夏休みのときは夜中に読書を始めて気付いたら朝だったり、
流行の小説を読んだり、国文学を読み漁ったり、パスティーシュ(様式模写)に傾倒したりと
とにかく読書は「自由」そのものでした。
好きなときに好きなものを読む。それが秋だろうが冬だろうが夏だろうが季節なんて関係ありませんでした。
あぁ、素晴らしきかな学生時代。
ところが、社会にでるとこうも変わるのかと思うくらい、読書は「自由」ではなくなりました。
仕事のため仕事に関係したものを読む。これが大半のような気がします。
だからこそ、秋の夜長に好きな本を読むことがいまはとても贅沢に感じます。
お寿司の「中トロ」もうまいが「いわし」の方がうまいと感じる贅沢さに似ているというか…
よく分かりませんね。はい。
寄る年波でしょうか、なんでしょうか…。
次は、どんな本を読んでいるのでしょうか、なんでしょうか…。原アナウンサーです。