「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ
ファミリー
寺田 早輪子
(2022/09/06)
子供の頃から私は人に甘えることがとても苦手です。
「一人でも平気!」…なんて顔をして過ごしてきた気がします。
両親が共働きで、留守番することが多かった、いわゆる「かぎっ子」だった私。
泣いたり、わがままを言ったりしてもどうしようもないとわかっていて、強がっていたのかもしれません。「一人で何でもできるもん!」と思っていました。
そんな可愛げのない子供時代を過ごした私でしたが、
「やはり家族の存在は大きくで、私は一人きりは苦手なのだ…」と実感した出来事がありました。
小学5年の宿泊訓練。福島県内の宿泊施設に泊まり、児童たちでカレーを作って食べたり、キャンプファイヤーやナイトハイク、肝試しなどを楽しみながら、「お泊り体験」する学校の恒例行事です。
これを私はものすごく楽しみにしていたのですが…、
一泊目の夜。予想だにしなかったことが…!
「ホームシック」です。
家族が恋しすぎて、寂しすぎて、寝られない。
でもベッドの中で泣いているところは友達に絶対に見られたくない。
声を殺して、しくしく泣いていました。
夜も更けていくし、オバケが出たら怖いし、どうしよう…と思っていた私を慰めてくれたのが、家から持参した「タオルケット」。
そのタオルケットからは、ふんわりと家の香りが…。
…わかりますか?普段は感じないけれど、帰宅した時に玄関でちょっと香る「家の香り」。
そのタオルケットに顔をうずめてスーハ―スーハ―しているうちに、家族の顔が浮かんできて、ううう…と、またこみ上げる思い。それでも家の香りに安心していつの間にか眠りについたのでした。
普段は強がっていても、やはり家族が恋しいのだと実感したあの夜。
…あれからもう30数年…。
もうすぐ小5の息子が野外活動で「お泊り体験」をします。
「家の香り」がしみついたタオルを持たせることにします(^^)
☆夏の甲子園!仙台育英高校野球部の皆さん、初優勝おめでとうございます!
東北人として感動を共有させていただいたことに、心から感謝です!
たくさんの人がカメラをむけていたJR仙台駅の優勝おめでとう横断幕の前で自撮りしてみました!
アナ・ログ。続いては下山さんです♪