「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ

お風呂のこだわり
金澤 聡
(2022/11/29)


若かりし頃、仕事でよく裸になりました。
情報番組の企画でよく温泉に入りました。ロケ先の風呂やバスタブにもよく入りました。
仕事で入るわけですから、当然リポートしないといけません。
これが、苦手でした。
景色や風景、風呂の形や色などの状況描写はできますが、
温泉の泉質の違いによる肌の感覚は、なかなか表現が難しいです。
臭いがあったり、にごり湯など色があれば表現できますが、
透明で臭いがない湯の場合、何と表現したらよいのでしょう。

「あったまりますね~」 そりゃそうです。
「あ~、疲れがとれます」 若いので疲れていません。
「サラサラしています」 どういうこと?
「クセがないです」 水ですから。

恥ずかしながら、こだわりのある表現を見つけられないままです。

さて、いままで風呂ロケで一番衝撃だったのが、
海外旅行企画でタイへ行ったときに入った "バラ風呂"でした。
浴槽一面にバラの花。ホテルの部屋中バラの香り。
ゴージャスで優雅なロケーションなのに、私の入浴シーン。
撮影クルーとスタッフ、現地コーディネーターは必死に笑いをこらえていました。
このロケは、リポートはありませんでした。
「画が強すぎるから」とディレクターに言われたのを覚えています。


次は、飯田アナウンサーです。


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