「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ
お風呂のこだわり
佐藤 拓雄
(2022/11/25)
お風呂へのこだわり、ないですね~。以上です。
・・・というわけにもいかないですね。
大学に入り、最初に一人暮らしを始めたアパートが、いったい築何年だ?という恐ろしく古い物件で、風呂はもちろんトイレまでが共同。しかも、風呂は週に3日と決められていました。
さすがに、人が入った後の湯には入りたくないので、一度抜いて沸かし直したり、入りたい時間には入れないし、とにかく不便でした。
入れない日は、歩いて10分くらいのところにあった銭湯に行ったりしていましたが、一応平成に入ったというのに、まるで昭和、「神田川」か!と思うような世界でした。「横町の風呂屋」には「二人で行った」わけでなく、いつも一人でしたが(笑)
ともかく、それまで実家で毎日風呂が用意され、母親からしつこく「早く入りなさい!」と急かされて、面倒くさいなあと、半ば嫌々入る日もあったことが、いかに恵まれていたかを思い知りました。
ですので、少なくとも風呂のある部屋に引っ越そう、というのが、当時のこだわりと言えばこだわりで、念願かなって風呂・トイレ付きの部屋に引っ越した晩、熱いシャワーを浴び、あー、自分の家に風呂があるのはいいなあ、としみじみ思ったたことは今でも忘れられません。
【写真】は、数年前に行った、愛媛・松山の道後温泉。一番安い入浴料で案内される共同の休憩所です。
文豪・夏目漱石も松山時代に通っていたという、「風情」という言葉がぴったりの、いい温泉でした。
次は、下山アナウンサーです。