「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ
2022年を振り返って
堤 勇高
(2022/12/28)
2022年も間もなく終わり。
ついこの間元日の定時ニュースを読んだような気がするのですが……。
そしてようやく日付記入欄に迷いなく「2022」と書けるようになったのですが……。
私個人としては、今年もニュースの現場からお伝えする役割を担当しました。
時には中継も担当する中で、特に印象に残ったのは7月の中継です。
この日、太白区の路上で、登校中の女子中学生二人が男に切りつけられるというショッキングな事件が発生しました。
一報を受け現場に向かうと、普段は静かであろう住宅街に警察と規制線。
家の前に立つ住民の動揺がうかがえました。
まず驚いたのは現場の位置。
現場となった「路上」は容疑者宅の目と鼻の先で、10メートルほどの距離でした。
被害者を含め当時現場にいた人達にとっては、危機を理解する時間すらなかったのではないかと、恐ろしさを感じました。
事件当時の情報を知る方々に話を聞く中でも驚いたことがありました。
被害者の二人は切りつけられた後、助けを求めてそれぞれの方向へ逃げていったということですが、そのうちの一人は近くの交差点を曲がり、坂を下った先の家に逃げていったそうです。
実際にその坂を下ってみると、かなりの長さ。
さらに、事件現場から逃げ込んだ家までは100メートル弱あったと記憶しています。
突然切りつけられた恐怖とともにこの長さを逃げなければならなかった被害者の心情を思うと、非常に心が痛みます。
中継ではその2点を盛り込んでお伝えしました。
思い返すともっと伝わりやすい方法もあったのではないかと、反省もありますが、自分が現場で取材をし、得た情報をお伝えすることができました。
2023年も引き続き、ニュースの現場からお伝えする機会が多いかと思います。
ひとつひとつ丁寧に向き合って、アナウンサーとして現場でお伝えすることの意味を失わないようにお伝えしていきたいと考えています。
無論、このような事件が来年は起きないことが最大の願いです。
さて、写真はアンモナイトの化石です。
先日「アクセント」で取材させていただき、化石採集を体験した時に発見したものです。
場所はウタツギョリュウでもおなじみの南三陸歌津。
1時間を一瞬に感じるほど、集中して探していました。
化石発見の興奮も、皆さんにお伝えできていればうれしいです。
次は千坂アナウンサーです。