「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ
東日本大震災12年
千坂 紗雪
(2023/02/27)
きょうからのテーマは「東日本大震災12年」です。
今年の3月11日で東日本大震災は12年となります。
あらためて、あの日に思いを馳せて、気持ちをつづっていきます。
12年前、私は宮城県大崎市で被災しました。
震度6強を観測した大崎市ですが、内陸部なので直接的な被害は免れました。ただ、被災後、衛生面でとても苦労した記憶があります。
私の住んでいた地域はライフライン、特に水道が復旧するまでに時間がかかりました。
復旧するまで給水車が来ていましたが、もらえるのは飲み水として使う分のみ。風呂にはずっと入れずで、だんだんと気分が沈んでいきました。
そのような中、母が大量の水を復旧していた親戚のところからもらってきてくれました。
ゴミ袋いっぱいに何袋分ももらってきた水を、少しずつキッチンで沸かしてお風呂場へ。
これを何十回も繰り返して、ようやく、久しぶりにお風呂にありつけました。お風呂でゆっくりとはいかず、結局ささっと体を洗うだけでしたが、とても気持ちよかったことを覚えています。
この経験も含め、当時を振り返るたび普段の生活のありがたさに気づくことができます。
今回載せたのは、被災した直後に使っていたノートの写真です。避難行動や日記などが書き留められてあり、このノートを見て当時を思い返すこともあります。これからもずっと、あの日を忘れず、一日一日を大切に過ごしていきたいです。
そして最後になりますが、災害などで日常を失ってしまった方々の一日でも早い復興を心から祈っています。
明日は西ノ入さんです。