「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ

学生時代のアルバイト
金澤 聡
(2023/06/05)


学生時代のアルバイトはほとんどが飲食店でした。
当時はバブル真只中で、
どこの飲食店も平日だろうが休日だろうが全く関係なくとにかく連日大盛況でした。
引きも切らずにお客さんがきて、
「店員さん!注文お願いします!」
「店員さん!とりあえずビール2つ、生で!」
「店員さん!まだ注文していたのが来ないよ!」
「店員さん!トイレどこ?」
新規のお客さんを席に案内している間も、
他のお客さんの注文を受けているときでも、
休憩室に入ろうとドアノブに手をかける直前まで、
常にお客さんに呼ばれていた記憶があります。
会計時は決まって、
「店員さん!領収書お願い!」でした。
前(株)か、後ろ(株)か、(株)なしか、(有)か、個人名か、
常連のお客さんの領収書の宛名は、勝手に覚えるようになっていきました。
ただ、声を掛けられ続ける喧騒的空間と目が回る忙しさから解放されたかったのかは忘れましたが、自ら声を発する場内アナウンサーのアルバイトがとても楽しかったのを覚えています。

1993年にサッカーJリーグは始まり、どの試合も観客は超満員状態でした。
当時サテライト(2軍)チームの試合にも多くのサポーターが詰めかけていました。
私は、浦和レッズサテライトチームの試合の場内アナウンスを担当することができ、
「水内猛―――!」 ※元ベガルタ仙台FW
「岡野雅行――――!」※「野人」こと元日本代表
など選手紹介で声を張り上げていました。
好きなサッカーのアルバイトができ、プロ選手を間近に見られ、
領収書をせがまれない世界が幸福な時間でした。
あれからJリーグも私も30周年。感慨深いものがあります。

写真は、2018年サッカー天皇杯決勝でベガルタ仙台と浦和レッズが対戦し、浦和優勝の表彰式のときです。これまた感慨深い瞬間でした。

次は、牧広大アナウンサーです。


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