「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ
学生時代のアルバイト
佐藤 拓雄
(2023/05/29)
結構いろいろなアルバイトをして、そのどれにも印象深い思い出がありますので、このお題は何回でも書けそうですが、今回は、高校生の時に、生まれて初めてしたアルバイト、引越し屋のことを書きます。
高校のクラスメートに誘われたのがきっかけで、なんとなく行ってみた初アルバイトでしたが、いきなり、お金を稼ぐことの厳しさを知りました。
どこの引越し業者もそうなのかちょっと分かりませんが、とにかくスピードと効率を求められました。それも生半可ではないのです。
基本的に、常にダッシュ。
最初に行ったのは、エレベーターのない集合住宅の5階か4階くらいのお宅。階段を、段ボールを持って駆け下り、リレー形式で次の人に手渡したら今度は猛スピードで駆け上がり、また段ボールを持って駆け下りる、という無限ループにも思える繰り返し。ちょっとゆっくりしていると「遅い!」と言われ、文字通り休む間もありません。
さらに衝撃だったのは、洗濯機は一人で運ぶもの、という暗黙のルール。ウソでしょ?と思いましたが、一人で持ち上げ、これまた階段を出せる限りのスピードで下りる。
とんでもない体力勝負です。
何だこれは?罰ゲームか?山岳部のトレーニングか?これで一日体力が持つのか?と頭がクラクラしました。
しかし、高校生の体力、若さとはたいしたもので、あっという間に慣れてしまい、小遣い稼ぎのためしばらく続けました。
引越し屋ならでは、と思ったのが、他人の生活空間に足を踏み入れ、その一端を垣間見るということ。100軒あれば100通りの生活があるのだなあと、世間というものを実感するような経験でもありました。
とにもかくにも、アルバイトは、学生にとっては社会を知る第一歩ですね。
【写真】は、先日の仙台駅東口の新緑です。風の心地よい日でした。
内容に関係する写真が何もありませんでした。アルバイトはもちろん、引っ越し屋とも何の関係もありません。あしからず。
続いては、伊藤瞳アナウンサーです。