「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ
気分が上がるお弁当
寺田 早輪子
(2023/06/19)
4年前、息子が小2の時のお弁当の話。
給食なしのお弁当の日。息子が持ち帰った弁当箱を洗おうと、ふたを開けてみると…、私は入れた覚えのないおかずが結構多めに残されていたのです。
その日のメニューは息子が大好きなチキンライスに、卵焼き、それに茹でたブロッコリー。シンプルです。「野菜嫌いの息子は多分、ブロッコリーは残すだろう…」と思いながらも、食べてほしくて入れました。息子はキャラクターの顔や動物の形をしたおかずは食べません。幼い頃から、そういった"かわいらしい"おかずやパン、お菓子は全く食べないのです。一度、理由を聞いてみたところ、「かじったら、かわいそうだから」と話していました。
…話を戻しますと、お弁当箱を持ち帰ったその日、中に残されていたのは入れるはずのないキャラクターのおかずばかり。人気キャラクターの顔がデザインされたかまぼこやポテトフライなどでした。「一体?何が…」と思い、担任からの連絡帳を開いてみると、「今日は『いただきます!』の挨拶の直後、手が滑ってお弁当箱をひっくり返してしまい、泣いてしまいました。クラスの皆で、『おかずを少しずつ分けてあげよう!』ということになり、食事はできたのですが、食べきれなかったおかずを残したようです。」と書いてあったのです。
じ~~ん。
お弁当をひっくり返し、絶望的な気持ちで涙した息子にクラスの皆が手を差し伸べてくれたというのです。キャラクターのかまぼこを分けてあげて、励まそうとしてくれたのかもしれません。クラス全員からもらったおかずは、小2の息子には多すぎて、最後にはこっそり蓋を閉めたのかも…。その時の様子を想像し、ちょっと涙しました。
息子にとっては大変なハプニングでしたが、今も弁当箱をみるとこのことを思い出して、温かい気持ちになります。
☆写真は、西ノ入アナウンサーと(^^)。
アナ・ログ。続いては、堤アナウンサーです。