「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ
試験の思い出
佐藤 拓雄
(2024/02/01)
【写真】は、岩手県の宮古駅にある「落ちないネコ」。駅舎の鉄骨に右前足の先を引っ掛けてあるだけなのに、東日本大震災の時も落ちなかったとのことで、受験生の縁起担ぎ、合格祈願に人気だそうです。
さて、私自身の受けた試験は、最も近い、会社の採用試験でも30年以上前ですので、「試験の思い出」と言われて、まず頭に浮かぶのは、自分の子どもたちの試験のことばかり。
「試験に臨む子どもの親」としての無力感を、何度となく味わった、という思い出ですね。
親としてできるのは、気を揉むことだけで、それが何にもならないことは分かっているのですが、それでも心配です。もちろん、心配した分、よい結果が出るというわけでもないし、結局は本人次第ですので、本当に無力でしかありません。
「試験を受けるのは子どもなのだから、親はどんと構えていればいい」ということをおっしゃる方もいますが、性格的にそうできないから心配なわけで。
そういう私のことを、子どもたちは鬱陶しいと思っているのだろうなあ、と思いつつ、それでも、親として何かまだできることがあるのではないか、という諦めの悪さ。
子どもたちもそれぞれ大きくなりましたが、まだあと何度か、「試験に臨む子どもの親」をすることになるので、当面、私の気持ちが落ち着くことはなさそうです。
でも、大学受験の付き添いで一緒に宿泊したとか、テストの成績や合格発表で喜んだとか、少しはよい思い出・楽しい思い出もありますので、自分の中でそちらをクローズアップして考えた方が、精神衛生上よいのでしょうね(苦笑)
明日は、堤アナウンサーです。