「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ
東日本大震災13年
下山 由城
(2024/03/15)
3月10日にJ2第3節・ベガルタ仙台vs水戸ホーリーホックの試合が行われ、実況を担当しました。被災地のチームであるベガルタ仙台は、東日本大震災当日の3月11日か、その前後のリーグ戦がホームに設定されていて「復興応援試合」と銘打たれて行われます。
試合前には犠牲者への黙とうがささげられました。特別な演出はそれ以外にはありませんでしたが、改めて思い返すきっかけとして、このホームゲームには意味があるように感じます。ごく普通に試合が行われることが、どれだけありがたいことか。
1月にも同じことを思いました。
1日に発生した能登半島地震。あのとき私は「春の高校バレー全国大会」に向けた取材で都内にいました。取材終わりに電車に乗ろうと駅にいたとき、速報ニュースの通知で地震を知りました。重大な事態ということを理解するまでに時間はかかりませんでした。そのときは「春高バレーの開催は大丈夫なのだろうか?」と正直不安にもなりました。
実況を担当した学校の1つである富山県・高岡第一高校バレーボール部の皆さんは、地震の前に東京入りしていたことで移動においての影響は幸いありませんでした。監督や選手にお話を聞いても、身の回りで大きな被害はなかったとのことですが、「両親が応援に来られるかがわからない」と心配そうに話していたのも印象的です。結果として試合当日までには新幹線も復旧したことで、応援席にも多くの皆さんがかけつけられていたのは本当に良かったと思います。
東日本大震災から13年となり、街の景色からは震災の傷跡はほとんどなくなっています。もちろん影響はそれぞれ異なります。目に見えない部分もあります。そして年明け早々の能登半島地震は、いつ大きな地震に直面してもおかしくないという現実を我々に突き付けられました。3月11日はいろんなことを改めて思い返す大切な1日として、これからも歩んでいければと思います。
次は寺田アナウンサーです。