「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ

春と言えば!
寺田 早輪子
(2024/04/22)


春はテレビ各局のサクラ中継が楽しみです。
今年も全国各地のサクラの名所から、テレビ各局のアナウンサーが、「美しい」サクラを「美しい」という言葉ではない、別の様々な表現で、見頃のサクラの様子を生中継で上手に伝えていました。サクラ中継は「言葉のプロ」である我々アナウンサーの、まさに腕の見せ所です。
近年はサクラ中継というと若手のアナウンサーが担当することが多く、「新人アナウンサーの登竜門」のような印象のある仕事でもあります。
私も新人の頃に、全国有数のサクラの名所・青森県の弘前城から全国生中継リポートを担当しました。ガチガチに緊張し、覚えた文言を間違いなくしゃべることで精一杯になってしまって、目の前で咲き誇るサクラとお城の、まるで絵画のような景色の素晴らしさを、思うように伝えきれなかった思い出があります。その悔しさは今も忘れることができません。
でもそんな悔しい経験が、「何を伝えたくてアナウンサーになったのか」と、苦しい時にはいつも自分に問いかけ、自分を奮い立たせるきっかけになりました。あの失敗があったからこそ、「伝える仕事の本質」と、今もしっかり向き合うことができていると思うのです。

お花見のたびに、新人アナの頃の苦い思い出が蘇りますが、サクラは私を前向きな気持ちにもさせてくれるのです。
今年のお花見でも、苦い思い出を日本酒と一緒に、クイっと飲み干したいと思います。

☆写真は…、仙台市・西公園のサクラです。
アナ・ログ、続いては梅島アナウンサーです。




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