「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ
クリスマスプレゼントの思い出
金澤 聡
(2007/12/05)
小学生のときのクリスマス会。
この日は手作りのプレゼントを先生も含めてクラス全員で交換するという催しがありました。
僕のプレゼントは、前日に母親と一緒にフエルトで作ったサンタの帽子でした。
それを受け取った人が日常生活の中で喜んで帽子として使ってくれるのかなど考えず、
クリスマスということだけでサンタの帽子にしたのだと思います。
もちろんクリスマス以外の日にかぶれば空気が読めない、いわゆるKYと思われる確率100%の赤と白の帽子でした。
さて、クリスマス会当日。
パーティームード一色の中、友達のH君だけが沈痛で蒼白な顔をしていました。
彼は僕にこう告げました。プレゼントを忘れてしまったと。しかも、作ることすら忘れていたと。
クリスマス会開催まで給食とお昼休みを合わせても45分。
慌てふためく僕ら二人の視界に、給食のみかんが飛び込んできました。
目で会話を交わした二人は、そのみかんとわら半紙を手に取り校舎の奥へ。
みかんを上手に包装し、強引にプレゼントに仕立て上げクリスマス会開催を待ちました。
やはり人間正直に生きるものです。その日僕が受け取ったプレゼントは嘘のようで本当の話、みかんでした。
サンタさんからプレゼントされたのは人生の教訓でした。
次回は、どんな思い出があるんでしょう。早坂アナです。