「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ

東日本大震災14年
西ノ入 菜月
(2025/03/12)


きのうで、東日本大震災の発生から14年でした。

多くの人の命日にあたる3月11日。
宮城県に住む一人として鎮魂を祈り、放送人として教訓を伝え続けていく責務があると心に誓い直す日です。

きのうは、石巻市の震災遺構大川小学校から、夕方の「イット!」番組内にて中継で追悼の様子などをお伝えしました。
大川小では、児童と教職員、合わせて84人が津波に巻き込まれて亡くなりました。
現在この場所では、地震・津波の脅威、そして子どもたちの命を守る学校防災について、遺族を中心とした語り部たちが伝え続けています。

毎年3月11日に、大川小では「大川竹あかり」という追悼行事が行われています。
震災発生当時在籍していた児童数と同じ"108本"の竹灯篭に明かりを灯して鎮魂を願うもので、きのうも温かく優しい光が灯されていました。

竹灯篭は、上から見ると、人が両腕を伸ばして中央部分を包み込んでいるような形に配置されていました。
デザインを担当した遺族の方に理由を伺うと、「亡くなった我が子をもう一度抱きしめたいという思いから、今年はこのデザインにしました。天国から見ると、その配置が良く見えると思います。」とお話ししてくださいました。
お話しを伺いながら、胸が張り裂けそうな思いでいっぱいになりました。

二度と同じ悲しみを繰り返してはなりません。

東日本大震災を知らない世代が増え続けていく中で、
若い世代はもちろん、全国の人たちに大川小の教訓を知ってもらい、防災を自分のこととして捉えてもらえるよう、私自身も放送を通して伝え続けていきます。

次は高橋アナウンサーです。

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