「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ
大みそか
金澤 聡
(2007/12/23)
歳を重ねるごとに時の流れが早くなり、今年は激流のごとく過ぎた1年のような気がします。
もう少しで大晦日です。私の実家の新潟では「年取り」と言っていました。
といっても少しニュアンスが違っていて、厳密には大みそかのすごし方で、家族の忘年会のようなものです。
「年取り」には必ず焼き鮭が食卓に並べられました。
なぜ焼き鮭かは調査不足ですが、何があろうと絶対に大みそかに食べさせられました。
実家にいるとき年末の私の三大行事は、『障子やぶり』、『天井そうじ』、そして、『鮭を焼く』でした。
1年を締めくくる最後の食事で、家族に生焼けの鮭はもちろん、真っ黒こげの鮭を食べさせてはいけないと、
それはそれは慎重に鮭を焼いたのを覚えています。
焼きあがって、切り身の1番大きいのが祖父、2番目が父親と決められていました。
父親に焼き方を褒められると、1年間のすべての艱難辛苦が吹っ飛ぶほど喜び、焼き鮭でご飯4膳くらい食べていたような…
そのくらい我が家では大事なものでした。
来年は年おとこ、初心にかえって大みそかは鮭を食べようかと思っています。
写真は一応、年の瀬の忙しさを表現してみました。(鮭とは全く無関係ですね、はい、そうですね)
みなさん良いお年を。
次は、どんな「年取り」をしているのでしょうか。寺田アナウンサーです。