「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ
修学旅行の思い出
伊藤 瞳
(2025/05/23)
高校時代の修学旅行は、奈良・京都でした。海外に行く学校に羨ましさもありましたが、何度もアナ・ログに書いている通り、日本史や神社仏閣に大変興味があった私にとっては大満足でした。
大化の改新の舞台だった明日香村や、興福寺の仏頭・阿修羅像、北野天満宮など、それぞれの場所で、それぞれにまつわる歴史に思いをはせ、静かに心の中ではしゃいでいました。
そして、この修学旅行では、当時、同じグループではなかった友人とさらに仲良くなるきっかけをくれました。比叡山延暦寺の五重塔をたまたま隣で見上げていた子です。
彼女も日本史が好きで、話してみたら意気投合。同じ熱量で話し合える空気感に居心地の良さを感じ、修学旅行内で、お揃いのお守りをいただくほど、仲良くなりました。そのお守りがご縁をつないでくれたのか、彼女とは修学旅行の後もよく話し、よく遊びに行く仲になり、かけがえのない存在になりました。自分たちの関係性を"腹心の友"と名付けたほどです。
あの修学旅行から10年経ち、あの時いただいたお守りのひもは途切れてしまいましたが、効果は続いています。先日も、東京から出張で仙台に来た彼女に会いました。高校時代から絵が得意だった彼女は、今「グラフィックレコーダー」として活躍していて、写真の絵を、目の前で描いてプレゼントしてくれました。まず「将来の夢は?」と聞かれて、私が「おばあちゃんになっても、おいしいものをもりもり食べていたい」と言ったら、その発言に合わせたイラストを2分程で書き上げてくれたのです。才能に脱帽です。
「修学旅行」がくれたご縁。
"おばあちゃんになるまで"ずっと大切にしていきます。
このお題ラストは、金澤聡アナウンサーです。