「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ
大みそか
佐藤 拓雄
(2007/12/21)
大みそかと言えば、紅白歌合戦・・・いやいや、そんなことを言うほどベタな人間ではありません。ここ何年も全く見ていません。
しかし、毎年、この紅白歌合戦に関して、なんだかなあと苦々しく思うことがあります。
それは、紅白出場者決定の日、民放がご丁寧にそれを紹介すること。僕自身が、伝えている側の人間であることを承知の上で、物申す!
今年も、我がスーパーニュースでも、5時台の芸能コーナーで、出演者の記者会見やプロフィールなど、かなりの時間を割いて実に詳しく伝えていました。当のNHKでもここまでやっていないのでは、と思うほどでした。さらにずっこけたのは、その出場者紹介の話題のあと、フジテレビがその大みそかの同じ時間に放送する番組を、VTRも使わず、数枚の写真で、申し訳程度に紹介したこと。時間にして30秒程度でした。こんなことがあっていいんでしょうか。
確かに、紅白歌合戦は、かつてほどではないにせよ、話題ではあります。出場者が誰なのかは、視聴者の関心も高いでしょうし、その関心に応える、という編集方針も分からないではありません。
それでも、です。結局のところ、紅白の出場者を紹介するのは、競争相手である他の放送局の番組宣伝をしていることにほかなりません。全くやるべきでない、とまでは言いませんが、やはり、そういう冷めた視点で考えるべきことなんじゃないかなあ、と思うのです。
フツーに考えて、私たちテレビ局が、他のテレビ局の番組の宣伝になるような放送をすることはありえません。紅白だけ特別扱いなのですが、今や、紅白も特別な番組ではない気がします。自分たちの番組を「裏番組」扱いするようないじけた発想から抜け出さないといけないのに、なんとも苦々しく残念な気持ちで、毎年恒例の芸能ニュースを今年も見ました。
続いては、10日遅れですが、清水寺から、出射さーーーん!