「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ
電話あれこれ
佐藤 拓雄
(2025/12/01)
【写真】は、先日乗った東北新幹線車内です。
このような状態になってずいぶん経つはずですが、かつて公衆電話が置かれていた場所。まだご丁寧にこのような張り紙がしてありました。
生まれた時から携帯電話が普及していた世代の方にはピンと来ないでしょうけれど、新幹線の公衆電話、30年以上前の就職活動中は非常にお世話になりました。
少なくとも庶民に携帯電話はなく、メールはもちろん、パソコンも庶民が持っているはずもない時代。
若い方は、原始時代か?と思うのでしょうか。
まあともかくそんな「デジタル原始時代」に、就職活動の連絡ツールは、何と言っても電話です。
志望する企業の人事担当者に直接電話をかけることから始まり、面接等で次の段階に進むことを知らされるのも電話。携帯電話ではありません。自宅の固定電話にかかってきますので、留守番電話は必需品中の必需品でした。
私が仙台だったこともありますが、就職活動が立て込んでくると、連日新幹線で長距離移動の繰り返し。そうしているうちに、採用選考結果の電話がかかっているわけです。
そこで重要なのが、新幹線の公衆電話。そこから自宅の固定電話の留守録をリモートで聞くのです。
呼び出し音が鳴る回数で、まず留守電のメッセージが入っているかどうかが分かります。「通過した人にのみこの時間に連絡」というパターンだと、留守電メッセージの有無で、合否の推測がついてしまうことも。
そして、公衆電話のプッシュボタンで遠隔操作。次に進んだか、ここで残念か。通っていればニンマリ、落ちてしまえばガックリ。その繰り返しでした。
そんな青春の1ページ、新幹線の公衆電話。
ちなみに、仙台放送の内定連絡は、最終面接後、ちょっと寄り道をしてから仙台の自宅アパートに帰ったところ、早くも留守番電話に人事担当者から「折り返し電話をください」というメッセージが入っていました。
はやる心を抑えながらすぐに折り返し、うれしい知らせをいただいたと記憶しています。
明日は伊藤瞳アナウンサーです。伊藤さんも携帯電話のない時代を知らない世代ですね。