「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ

東日本大震災15年
下山 由城
(2026/03/05)


先日、大崎市の酒蔵を見学したときには、東日本大震災のときのエピソードを聞きました。
その蔵は東日本大震災で仕込み蔵が全壊する被害を受けました。出来上がっていた多くの製品も破損してしまったそうです。3月といえば通常なら仕込みは終盤、もしくは終えている時期です。蔵が損壊してしまっては新たに作ることもすぐにはできません。それに加えて震災直後は「自粛」の呼びかけもあり、消費期の1つである「花見」のイベント中止などが相次いだことによるマイナス面もあったと言います。大きな災害が起きたときは、「不謹慎ではないか」と自粛を優先しがちになります。当然、被災者の痛みに寄り添う心は尊いものです。何が正解で、何か不正解だという話ではありません。ただ、寄り添う形は沈黙だけではないということも再度学んだ気がします。蔵は15年という月日を経て、力強く再生しています。お話を聞くだけでは道のりの苦労のすべてを知ることは到底できません。個人的に宮城で1番好きな日本酒を作る酒蔵さんです。これからも定期的に飲んで応援したいと思います。

15年が経とうとしていますが、個人としての向き合い方や備え方を考え続けていきたいです。去年12月の津波注意報が出た地震のときは、仕事は休みで仙台駅近くのアーケードを歩いていました。揺れは正直気付かなかったのですが、スマートフォンから鳴り響くアラーム音で緊張感が一気に高まり、急いで会社に向かった記憶があります。去年7月のカムチャツカ半島沖の地震では、最初は何故津波警報が出ているのかわからず「こんなパターンもあるのか…」と驚きながら出社。打ち合わせなどの予定はすべて延期となり、ヘリコプターの中継対応のために空港へ向かいました。いざというときに自分にできることは限られるかもしれませんが、様々な変化に対応していけるように1日1日を歩んでいきたいです。


お次は堤アナウンサーです。

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