「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ

私の必須アイテム

(2008/06/11)


ある夏の長い一日限定での必須アイテムについてのお話です。

父の仕事の関係で90年8月にイラクの首都バグダッドに住んでいました。意外と平穏に生活していましたが、湾岸戦争のきっかけとなるイラクのクウェート侵攻から事態は一変。空港は閉鎖され、いつ日本に帰れるか分からない状況でした。
ただ、女性と子供には早い段階でイラク政府から帰国許可が下りたため、母と姉と私は父を残し約1300キロ離れた隣国ヨルダンの首都アンマンにバスで向かい、そこから飛行機で日本に帰ることになりました。
とりあえずは一安心…と思いきや!出発前日、イラク政府は私達への出国許可を取り消してしまいました。今後どうなってしまうのか暗雲立ち込めます。
しかし父達はイラク脱出に希望をかけ決断しました。長い長い一日、極秘の逃走劇の始まりです!

日本人約30人を乗せたバスは、父など見送りの車数台と共にバグダッドを朝6時にひっそり出発。関門の国境検問所までは普通のバス旅行になるはずが…トラブルが連続します!街を抜けて果てしなく続く砂漠の一本道を激走するバスを襲った第一撃はクーラーの故障です。
何たって砂漠のど真ん中ですよ!しかも逃走劇はまだまだ序盤。もう暑い暑い(*_*)
気を取り直して発進したバスに悪夢は続きます。なんと居眠り運転のトレーラーが衝突してきました(>_<)イラクでは何が起きても驚いちゃいけないんです!
2台とも道を反れて砂漠に突っ込みバスのフロントガラスは粉々、トレーラーは横転。ここはジャック・バウアーの世界か?単調な運転に眠くなる気持ちは分からなくもないですが、極秘逃走中のバスだけには突っ込んでくれるな!さらにひっくり返ったトレーラーの脇ではバスの運転手が馬乗りになってトレーラー運転手を殴り始めました。だ・か・ら…ここは砂漠のど真ん中だっつ~の!

半分も話さないうちに残念ながら字数制限で終了です。ボコボコのバスに乗った家族は?残された父は?続きはまたの機会に書かせて下さい。
忘れてましたが、テーマの「必須アイテム」は長旅対策に事前に配られた携帯トイレです。ただ、結局使った人がいるのか知りません(言い忘れましたがバスはトイレなしです)。

さて次は原さんのニュース本番直前の必須アイテムです。

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