「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ
私の必須アイテム
金澤 聡
(2008/06/10)
学生時代に"やり残したこと"はありませんか?
例えば、もっと勉強していればよかったとか、バックパッカーな旅行をしたかったとか、時間制限付きのメガ定食にチャレンジしてみたかったとか、何かありませんか?
一時期アルバイトに明け暮れた学生時代、このモラトリアムを金稼ぎに費やしていいのかと学生の本懐との狭間で葛藤していた頃がありました。そんなとき、何気なく手にしたのがロシアの文豪、ドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』でした。上・中・下の3巻もあり、これを読み切れば新たな自分が見つかるのではないか、勉学に勤しむ自分になれるのではないかと訳のわからない期待を胸に読み始めました。しかし…、上巻を読み始めてもなかなか進まない、頭に入ってこない、正直どこが面白いのか全くわからず、1ヶ月で上巻の半分しか読まず、その後は部屋のインテリアと化してしまいました。もちろん、その後の私といえばアルバイトに明け暮れたのは言うまでもありません。
時を経ること15年、本屋さんでふと目に止まった『カラマーゾフの兄弟』。また読み始めています。学生時代に諦めた上巻を読み切り、中巻も終了、いまは下巻に達しています。15年経っても上巻は面白いとは思いませんでしたが、中巻に入ると物語は大きく動き出し、下巻はどっぷりとロシアの文豪の世界に魅かれています。いまや就寝前の必須アイテムになっています。
学生時代にやり残したこともあと少しで達成です。
次は、あれとあれとあれを達成しないと…どれだけやり残してんだっ!!以上です。
次回は、広瀬アナウンサーです。新人アナの必須アイテムって、あれかな、やっぱり。