「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ
一度訪れてみたいあの場所
寺田 早輪子
(2008/07/16)
『日本のハワイ』を、ご存知ですか?それは、映画「フラガール」の舞台にもなった福島県いわき市湯本にあります。スパリゾートハワイアンズ!…私、大好きです。故郷にある、その「日本のハワイ」には、家族で何度も遊びに行きました。私の幼い頃は、「常磐ハワイアンセンター」という施設名で、私はうまく言えず、「常磐ハワヤンセンター、行きたい!」とおねだりしていたそうです。・・・。「常磐ハワイアンセンター」には、プールサイドに、水着で入る温泉の湯船がありました。いわき湯本温泉は、硫黄泉。泳いで冷えた体を、プールサイドの湯で温めるのが好きでした。「海を渡っていくハワイ」のプールサイドには、硫黄泉はあるのかしら?ああ、「海を渡っていくハワイ」にも、一度行ってみたい…。
★写真は、岩手・宮城内陸地震で大きな被害が出た栗原市花山の湯浜温泉・三浦旅館のすぐそばにある「上滝」です。取材させていただきました。「ランプの宿」として知られる三浦旅館は、建物の被害が、幸いにも大きなものはなかったのですが、源泉が地震以来、止まっています。ご主人の三浦治さんは、週に一度、秋田側から3時間かけて、旅館の片付けに通っています。内風呂に湯はありませんが、露天の硫黄泉は無事で、「上滝」のそばで、新たに硫黄泉が湧いているの見つけました。三浦さんは、この硫黄泉で、旅館再開を目指しています。今回、「上滝」の写真を紹介したのは、ご主人のこの一言がきっかけです。「土砂崩れで、迫川は土色に濁った部分が目立つが、上流は地震前と変わらず、飲めるくらい水が透き通っている。そして、温泉が確かに湧いている。栗駒山が生きている証拠を、たくさんの人に伝えてほしい」。地震で傷ついた栗駒山ですが、「温泉」という恵みを私たちに残していてくれていました。花山温泉郷に通じる国道398号線は、一般車両が通れるようになる見通しは、まだたっていません。それでも、三浦さんは、道路が通じるようになったら、すぐにでも旅館を再開できるよう準備をしたいと話していました。私は、同じ温泉地出身の人間として、宮城県にある放送局の人間として、花山の復興を応援し続けたいです。余震も少なくなってきました。この夏、そして紅葉シーズンには、栗駒山に、全国各地から、多くのみなさんにお越しいただければ幸いです。
さて、次は、憧れの地があるんだそうな…、出射アナです!