「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ

ふるさと
佐藤 拓雄
(2008/08/04)


先週、夏休みをとって家族で旅行に出かけました。訪れたのは、沖縄・八重山地方。かねて行ってみたいと思っていた、ドラマ「ちゅらさん」のふるさと・小浜島にも足を伸ばし、ドラマのロケ地を見ることができました。写真はそのひとつ「こはぐら荘」前での一枚。台風が過ぎ去った直後で空が青くないのが残念でしたが、ドラマニアとしては、ロケ地めぐりに大満足です。そして、小浜島、とってもとってもいい所でした。

さて、僕は神奈川生まれの東京育ちですが、「ふるさと」と言われてぱっとイメージするのは、神奈川でも東京でもなく、福島県郡山市の父の実家です。

子どもの頃は毎年夏、郡山に行くのが楽しみでした。
郡山の祖父母の家は、父がそこで生まれたという、まさしく生家。なので、古い。でも、団地暮らしの僕は、その家の縁側で、足をぶらぶらさせ、セミの鳴き声を聞きながら、農家から届けられた新鮮なとうもろこしやトマト、桃、すいかなどを食べていると、「こういうのを『ふるさと』って言うんだろうなあ」と子ども心に思ったものです。
郡山には、その当時ですら自分の家の近所にはなかった駄菓子屋もあり、「ふるさと」には何でもあるんだなあ、とうらやましく思えました。
唯一、「マジンガーZ」など好きなアニメの放送が1週から2週遅れていたのには、大変ショックを受けましたが。

その後、仙台に住むようになった僕にとっての「ふるさと」は、普通に考えれば、東京の実家、ということになりますが、どうも「ふるさと」という気がしない。しかも、7年前に両親が東京をひきはらい、仙台に引っ越してきたので、帰省先という意味での「ふるさと」も存在しません。

単なるイメージの問題なのでしょうが、そんなわけで、「ふるさと」という言葉を聞いたとき、真っ先に頭に浮かんでくるのは、夏の郡山の縁側なのです。

次の原アナウンサーも実家は東京ですが、どんな「ふるさと」話でしょうか?

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