「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ

怖い話
寺田 早輪子
(2008/08/19)


「怖いけれど…、怖くな~~~い話」
あの写真が撮られたのは、私が中学1年の夏。いとこのサトシくんが、大学に通うため、住んでいた東京のマンションの部屋で腕立て伏せをしていた時、その様子を友人が何気なく撮影したそうです。
サトシくんの後方に写っていたのは、電源の入っていないテレビ。電源は入っていませんでしたから、当然、画面は、真っ暗…だったはずなのに…。
暗いテレビ画面全体に、ぼんやりと灯る無数のろうそく…。そして、画面中央には、真っ白な「死に装束」を身にまとい、額には白い「三角巾」を付けた年老いた男性が…!!!!!!

盆休みに母の故郷に帰省した際、サトシくんが私に見せてくれたこの心霊写真。幽霊など、怖い話が、めっぽう苦手な私。「どうしよう!?怖いよ!この写真は、一体…!?」…背筋に、ゾクっと寒気が走った、その時!
「ん?もしかして、これ…、じいちゃん???」サトシくんのこの一言で、写真を凝視。よく見ると、テレビ画面に、ボウっと写っているのは、前の年に大往生した私の祖父だったのです!秋田で、サトシくんとずっと一緒に暮らしていた祖父。大学に通うため、一人東京に出たサトシくんを心配したのでしょう。その思いが強くて、思わず、…写っちゃったようです( ̄▽ ̄ )
菩提寺の住職にも相談しましたが、「おじいさんの温かい思いがこもったお写真ですので、持っていても大丈夫ですよ。」とのこと。
写真に写ったおじいちゃん。テレビ画面の中にきちんと納まっているあたりが滑稽でしたが(笑)、その表情は、やさしく、私たちを見守っているようでした。
続いては、佐藤拓雄アナウンサーです!「アナウンサーならではの恐怖体験」だそうです…(;▽;)

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