「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ

怖い話
金澤 聡
(2008/08/26)


就職活動の中のみなさんは、"怖い"体験をしていないでしょうか。面接時、極度の緊張のあまりに遭遇してしまう恐怖の空間…。

初めての面接。どんな雰囲気なのか戸惑いながらも、気合十分で面接へ。名前を呼ばれ歯切れのいい返事。
しかし、それまでの20数年間噛んだことのない自分の名前を、いきなり噛んでしまう…。アナウンサー試験の面接で。緊張と絶望感から襲ってくる恐怖。

すると、「なぜ、うちの会社を志望するのですか?」と面接官。
逆転のチャンスと必死に訴えた私。
「あの、ひとついいですか?」と面接官。
"もしや自分の話に興味を持ったのでは"と期待に膨らむ私。
「御社と弊社の使い方間違ってますよ」と面接官。 "え~っ!!"と心の中まで冷や汗タラタラの私。
緊張のあまり、『御社』というべきところをずっと『弊社』と言っていたらしい。
「はい、ありがとうございました」と笑顔の面接官。"こういうときの笑顔ってものすごく恐ろしい"と感じた私。
最後くらい清々しい敗者でいようと、さわやかに"ありがとうございました。勉強させていただきました"と私。

なぜか後日、一次面接通過の通知が…。
どんな手違いか、はたまた、何か得体の知れぬものの仕業か、恐怖感を抱き、二次面接へ…。
世の中、何が起こるかわかりません。ちなみに、この会社は最終面接まで受けさせていただきました。
人間万事塞翁が馬です。

次回のテーマは、お月見のシーズンを前に『ツキ(月)にまつわる話』です。
トップバッターは浅見アナウンサーです。

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