「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ

「まつり」あれこれ

(2008/09/29)


世界最大のお祭り。それはクリスマスです。ヨーロッパでは12月から1月にかけて長い期間クリスマスで盛り上がります。そのクリスマスで最も印象的な思い出が、大学1年生の時にお台場の公園にて"男祭り"と称してサークルの男子仲間約20人で繰り広げた鬼ごっこ。ルールは泥棒と警察に別れ、3人の泥棒が警察本部に置いてある宝物(この時はなぜか週刊誌「フライデー」の表紙でした)を奪い、警察は泥棒を捕まえて阻止するというもの。アホくさい話ですがお付き合い下さい(^o^;
このゲーム、蓋を開けてみると宝物を奪うのは至難の技。浜辺で砂まみれになりながら追っ手をかわす者、坂や立木などの地形を巧みに利用する者などいましたが、一人また一人と捕まり、悔しさを滲ませた足取りで連行されていきます。クリスマスを楽しむカップルの中にはどういうわけだか、脇腹を押さえて走る私達に温かい声援を送って下さる人も…。そのため硬派を気取る早稲田大学の学生20人はますます調子付き、その額には青春の汗が流れ、男祭りは爽やかに過ぎて行きます。
ところが日も傾きレインボーブリッジが灯る頃、事件発生。泥棒をしていた大学6年目の大先輩が単身、警察本部に乗り込んできた時です。そこにあるはずのフライデーの表紙がなくなっていったのです。先輩は激怒!「なんでないんだよ!」と怒鳴りながら逃げ去る先輩を、私は見送るしかありませんでした。その後、捕まって連行されてきた先輩の怒りは再び頂点に。「本気で怒ってるの?」とポカーンとしている20人の顔から私を見つけ出し、髪をワシ掴みにして「なんで(フライデーが)ないんだよ!」と鬼の剣幕。他の先輩方が間に入って事は収まりましたが、みな呆然。実際は紅一点参加した女性先輩が隠したということでしたが誰もそんな事は言い出せず、たまたま居合わせた私に怒りの矛先が向けられたということでした。20人もいればゲームに対する意欲やルールの徹底に差が出てきます。しかし本物の硬派は例えゲームであっても常に本気であると大先輩の姿から学びました。ただ、本音はそんなのはどうでもいいから、もうちょっと平穏なクリスマスでありたかった…

「まつり」と聞いて真っ先にこの出来事を思い浮かべてしまった私の人生を恥じつつ、次のお題へバトンパスします。
次は《最近食べたウマいもの》。トップバッターは金澤さんです!

戻る

アナウンサーTOP
HOME