「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ
私のイチおし・読書編
(2008/11/04)
梅島アナの言うように、先月遅い夏休みをとってシンガポールに行ってきました。マーライオン、マンゴーやドリアンなどのトロピカルフルーツ、ナイトサファリで出会った野生動物たち…etc…全てが新鮮で楽しく、また今回は特に現実と離れて自分を見つめ直すには絶好の機会でありました!
と言うのも、旅での発見・出会いは時として人を変える力を持っているかも知れない…。そう思わせる小説にちょうど出発前に出会ったからです。
柴田よしきさんの『ワーキングガール・ウォーズ』
主人公は、「働く」独身37歳女性。
東証一部上場企業の企画部係長、年収は一千万円以上で都内にマンションを持つ、いわゆる「勝ち組負け犬」の彼女。
お局的ポジションになったが故に感じる部下や上司への不満。自分を育ててくれた仕事には誇りを持ちつつもつっぱって生きている彼女は、ある事件をきっかけにオーストラリアへ旅します。
そこで旅行代理店で働く女性と、元彼の新婚旅行を追いかけぶち壊そう(!)とする女性と出会って少しずつ変わっていきます。
「や~も~どうなっちゃうの!?」とあっという間にページが減っていくのです。
加えて「嫉妬するほどの輝きがない所が気に入った」とか「足し算はできなくても、彼女には生きる賢さがある」とか、同姓を見る女性の厳しい本音や会話などが満載で、リアルすぎる描写には脱帽です。
何より最後は「本物の女らしさってのは、女としてのプライドを簡単に譲らないことなのよ」と、部下に嫌がらせをしていた上司に啖呵を切る姿は惚れてしまいそうなくらいカッコ良く胸がスカっとします。
私にとって、仕事ってどういうものか、今一度旅で考えさせてくれた一冊でした。
ちなみに写真はワーキングガールをイメージしてみました…すみません。
男性にはどうかちょっと分かりませんが、確実に働く「女子」にお薦めです。特に旅行前!
次は働く姿が素敵です、金澤アナです。