「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ

私のイチおし・読書編
佐藤 拓雄
(2008/11/17)


まいったなあ、板垣くんとカブってしまった。悔しいですっ!・・・気をとり直して。

伊坂幸太郎さんの小説が大好きです。
伊坂さんは、言うまでもないかもしれませんが、仙台市在住の作家です。東北大学の出身で、僕の一年後輩にあたるそうですが(学部は違います)、残念ながら面識はありません。
伊坂作品は、その多くが、仙台を舞台にしています。それだけでも仙台市民としては面白くて仕方ないわけですが、それよりも何よりも、その構成力に、うならされます。伊坂作品の妙は、その構成にあり、と僕は思っています。
まるでエッシャーの絵のよう、とでも言ったらよいでしょうか。構成の「騙し絵」に、気づかぬうちに嵌められ、ラストでそのカラクリに驚かされる。「ラッシュライフ」「アヒルと鴨のコインロッカー」「砂漠」などがその典型。もうびっくりした。衝撃を受けた。感動した!…俺は小泉純一郎か?すみません。
構成の妙という意味では、連作短編という構成をとっている「終末のフール」も素晴らしかった。
それから、なんと言っても、「ゴールデン・スランバー」です。構成の妙はもちろんですが、そのスピード感に圧倒され、複雑に張り巡らされた伏線に感嘆し、結末に号泣しました。伊坂作品ベスト1に挙げる人も多いのでは?
僕のベスト1は、うーん、なかなか決められません。いくつか挙げるなら、「ゴールデン・スランバー」、「砂漠」、「終末のフール」あたりかなあ。とにかく、ほとんどの作品を読みましたが、ハズレは一つもありませんでした。これは断言できます。
ついでに言うと、「ゴールデン・スランバー」はじめ、まだ映像化されていない作品は、映画ではなく、ぜひテレビドラマでやってほしいと思っています。伊坂作品の真骨頂であるところの構成の妙、伏線の複雑さは、2時間程度では表現できないと僕は思っているからです。ぜひとも、1クール11回から12回ないし2クール20数回かけて、そのストーリーを映像で堪能してみたいものです。脚本は、宮城県出身・クドカンでどうでしょう?「流星の絆」を超える予感がします。おっと、妄想しすぎ?
そんな伊坂さんに、いつかインタビューしてみたいと思う反面、ファン過ぎて何も聞くことがないような気も。アナウンサーとしてはこれじゃ失格?

このテーマは以上です。明日からはまた新しいテーマでお送りします。お楽しみに。

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