「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ

私のイチおし・読書編

(2008/11/07)


11月に入って1週間。私も読書の秋を満喫中です。ただ、家が東向きで午前10時には寒くなるため、布団に包まり睡魔に耐えながらです。

夏に話題となった映画「クライマーズ・ハイ」。横山秀夫さんの小説が原作で、舞台は群馬県・御巣鷹山の航空機事故。既に多くの方がご覧になったと思うので、そこで私は同じ御巣鷹山の航空機事故でも山崎豊子さんの『沈まぬ太陽』をイチオシします!「クライマーズ・ハイ」は報道記者の視点で綴られていますが、『沈まぬ太陽』は被害者と、被害者を支え続けた航空会社の社員の立場で書かれています。悲惨な事故現場と、被害者のために人生を投げ打つ社員の姿がリアルに描かれていて「クライマーズ・ハイ」と違う視点で楽しめます。

もう一冊。三国志の映画「レッドクリフ」の影響で三国志演義を読み始めました。三国志演義は全部で数千ページ。約3000ページある司馬遼太郎「坂之上の雲」を読むのに学生時代でさえ一ヶ月、入社後に読み始めた「竜馬がゆく」は三ヶ月かかりました。読み切る自信はありません…
と書いた直後、三国志演義を中断して遠藤周作氏の『楽天主義のすすめ』を読み始めました(^^;遠藤氏は一日の大半を布団の中で過ごすため傍目にはグータラ者だけど、本人曰く沈思黙考しているとのこと。要は力を抜いて何となく人生を過ごす魅力を書いた本です。そういえば私の父もどこか力が抜けています。50代前半で退職し、週一回のゴルフ以外に何をしているのか知りません。ノンビリ屋で、昼食をとるにも往復2時間の道程を歩いていく一方、赤信号では電柱の日陰を探し、日陰の形に合わせて体をくねらせるなど疲れることをひどく嫌います。どうもフーテンの寅次郎の影響を受けているようですが、息子はチャップリン好きでその血はしかと受け継がれています。
その2人がイタリア旅行した際、北部湖水地方で有名なコモ湖に向かうはずが見事に電車を乗り間違え、着いたのはマッジョレー湖。しかし着いてビックリ!湖の真ん中に宮殿が浮かんでいるではないですか!行きの機内で読んだヘミングウェイの戦争小説『武器よさらば』で舞台となった宮殿です。写真がそれですが、フラフラ2人組だから偶然出会えた絶景でした。

さて、私も遠藤氏にならって布団に包まりながら三国志演義に再挑戦することにします!次は寺田さん曰く「ちょ~カッコいい女性作家」のお話です♪

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