「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ

2008年総決算
寺田 早輪子
(2008/12/29)


2008年。今年は様々な場面で、自然の持つ力、人の生きる力の強さを思い知らされました。
6月の岩手・宮城内陸地震。栗駒山の土砂崩れは「崩れる」というより、「山があちらこちらで、大規模に、下にずれ落ちた」状態。道路が地割れした現場の取材では、分厚いアスファルトさえも引きちぎった地震のパワーに、身震いしました。

栗駒山の中腹にある栗原市耕英地区、秘湯の温泉場もある花山地区には、現在も避難指示が出ています。自宅に戻れず、仮設住宅で生活をする住民は163人に上ります。
地震から半年となった今月14日。仮設住宅に、妻と子供3人と住む50代の男性は、私の取材にこう応えてくださいました。「今日の栗駒山はすごく大きく見えた。山に負けないように、復興に向けて頑張りたい。」職を失い、家に帰れない状況でも、笑顔を見せてくれたその男性から、私はパワーをいただいた気がしました。
「どんな逆境にあっても負けない」強い力を、私も持って歩いていきたいと思います。

来年は、丑年です。地震で断水が続いた栗原市花山の小豆畑地区では、飼われていた肉牛も被災しました。十分な水を飲めない日もありましたが、今、その牛たちも強く、大きく育っています。地震後に生まれた子牛が、先日の取材では、キラキラした瞳でカメラを見つめていました。
地震で傷ついてもなお、大根やトマト、そして温泉など、山の恵みをもたらし続ける栗駒の自然。その自然の中で復興に向けて頑張る人たち、動物たち。
迎える2009年。私もみなさんのように、強く歩いていこうと思います。

★写真は、今年も多くの時間、ナレーションの収録のためにこもった「アナブース」で。今年も時を刻んでくれた私のかわいい「ストップウォッチちゃん」と、2008年最後の「どアップ」です。

今年も一年、仙台放送をご覧いただき、ありがとうございました!来年も、スーパーニュースでお会いしましょう!!


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