「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ
合格発表
(2009/03/18)
先日、両国国技館で行われた「林家三平 襲名記念公演」に行ってきました。
三平さんは以前、母・香葉子から「三平の名は周囲に認められて初めて名乗ることが許されるもの」と、襲名の申し出を断れたといいます。その後、時を経て襲名を許され開かれた記念公演、林家一門の絆の強さを感じました。
さて私ですが、試験をほとんど受けたことがなく、合格するよりも他の人の合格の知らせを聞くことが多くありました。
というのも私は大学時代に、大学受験向けの月刊数学問題集(毎月発売される数学問題集。世の中にはこんなものもあるんです)で、添削問題の出題と丸つけをしていました。そこに毎月応募してきた学生から2月になると合格の便りが届くわけです。
私が出題したものの1つが
『5人用のあみだくじで真ん中に当たりがある場合、どこを選べば当たりの確率が最も高いか?』
正解は「真ん中に近いほど当たる確率が高い」です。イメージしてみて下さい。1億人であみだくじをすると、真ん中近くの人に比べて一番端の人は、中心に近づくだけで相当苦労します。というわけで、あみだくじは当たりに近い人が有利です。では当たりの真上がいいのかというと、人数や当たりの場所によってはそうではありませんし、当たりの場所が分からなければ結局みな平等です。この問題を考え付いた時は世紀の大発見だと驚きましたが、先人がすでに解決していました(^^;
大学時代は数学の問題作りばかりを考えていた毎日。身近な題材を扱った出題を通して一人でも多くの方に数学に親しんでもらいたいという思いでしたが、それを一生懸命解いてくれた全国の高校生から「大学に受かりました」という報告を受けることは、それは嬉しいことでした。
2007年末には、ビートたけしさんが出演なさっているフジテレビ番組「たけしのコマネチ大学数学科」がテレビ界のアカデミー賞と言われるエミー賞にノミネートされ、話題を呼びました。数独の流行もあり、数学にスポットが当たる機会も増えまてきました。そんな私は大学卒業後、数学の知識が役に立ったことは一切ありません。笑
合格報告をくれた皆が今、何をしているのか分かりませんが「ねぇねぇ、あみだくじって平等じゃないんだよ。知ってた?」なんて、どこかで話しのネタにでもしていてくれたら幸いです。
続いては浅見さんの合格話です。