「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ
合格発表
佐藤 拓雄
(2009/03/12)
はい。宮城マスター検定は僕も2級です。
特に意味はありませんが、「仙台放送前」バス停を撮ってみました。後ろの建物が仙台放送。文字通り、目の前です。
さて、合格発表。
大学に入るまでは東京に住んでいたのですが、東北大学の合格発表は、わざわざ仙台まで見に来ました。すでに合格した私立の入学金納付の締め切りがちょうどその日だったから、というのが理由だったと記憶しています。でも、実際には、その入学金は親がその前に納めてくれていました。「締め切り当日の納付では、何か手違いがあったら大変」という親心です。本当に感謝しかありません。
なのにわざわざ仙台へ見に行ったのは、一つは、少しでも早く見たかったということ。インターネットなんてない時代。「レタックス」というFAX+電報のようなものがありましたが、見に行った方が早い。もう一つは、福島県郡山市に住む祖父母を訪ねてきなさい、というこれまた親心でした。
片平キャンパスで合格を確認し、NTTの臨時公衆電話に並んで親に報告(携帯電話もない時代です)、すぐさま新幹線で郡山へ。
祖父母宅の玄関先で靴も脱がないまま「おじいちゃん、東北大に受かったよ!」と報告すると、その言葉にかぶるぐらいのタイミングで祖父が言ったのは、「うん、見たぞ、文学部、○○番、佐藤拓雄。あった」。「・・・はあ???」なぜ祖父がすでに知っているのか?母から電話があったのか?それにしても受験番号までなぜ知っているのだ?
そのわけは、「東北大学合格発表」という名のテレビの特番でした。当時、そんな信じられないような特番が存在したのです。おそらく東北各県にネット放送していたのを祖父が見たのでしょうが、そんな番組があることすら知らなかった僕には、かなりカルチャーショックでした。
後で知ったのですが、合格発表の掲示板を延々映し続けていくという、スペクタクルな内容。そんな番組が成立したのも、今では考えられないことですが、当時は、合格者の受験番号のみならず氏名、出身県まで貼り出されていたからです。個人情報丸出しです。今は掲示板すらないそうで…
でも、おかげで祖父母を早く喜ばすことができました。
そんなわけで、僕は、合格発表というと、この日の祖父とのやりとりをまず思い出すのです。
続いては金澤アナウンサー。「親切な」周囲の人たちのおかげで、感激が半減したとか?