「アナ・ログ」
アナウンサーリレーエッセイ

春といえば
佐藤 拓雄
(2009/04/08)


春といえば、僕にとっては、もちろん花粉症との戦いの季節。暖かくなってきたここ最近は、くしゃみの回数も、鼻水の量も、やはり多くなってきました。あと3週間くらいの辛抱かな…。
でも、こんな話を書いてもしょうがないので、別の話にします。

「ハル」と聞いて、花粉症の次にイメージしたのが、「(ハル)」という映画でした。と言っても、僕は映画そのものは見ていません。ノベライズを読んで、すごく印象に残ったのと、なぜか妻がパンフを持っていたのでイメージが膨らみ、見たような気になっているのです。
映画としては、1996年の作品です。森田芳光監督。主演・深津絵里、内野聖陽。
ご存知の方には、「知ってるよ」という話になってしまいますが、パソコン通信で知り合った人たちの話です。ここがミソなのですが、「パソコン通信」です。インターネットではないのです。
なにしろ、1996年の作品です。ウインドウズ95が発売されたのが、その前年、1995年。「インターネット」という言葉が、今みたいに当たり前でない時代です。パソコンも、携帯も、持っている人のほうが少ない時代です。ちなみに僕が初めてパソコンを買ったのが、この1996年。初めて携帯を買ったのも、やはり1996年。最初のパソコンはCANONのノートで、ハードディスクがたったの1GB。でも当時はこれがかなりの大容量でした。値段は20数万円しました…。
えー、話がそれてしまいましたが、インターネットではなく、パソコン通信。今で言う掲示板みたいなものの一つに、「会議室」というのがあって、そこで匿名の人同士がやりとりするという、そのやり取りを中心に物語が進んでいくのが、この「(ハル)」という映画でした。
台詞の代わりに、「>」という引用符や絵文字の付いた、会議室への書き込み、やり取りが頻繁に出てきます。その手法が、当時の僕には、とても新鮮で、斬新に思え、印象深かったのです。
で、今これを振り返ってみると、「電車男」なんてまさにこんな手法で、「(ハル)」がいかに早いか、ということを感じます。
ちなみに「(ハル)」とは、主人公のハンドルネーム。本名の(ハヤミノボル)と打って、真ん中を消していったら(ハル)になったという話でした。じゃあ俺は(サオ)?ダメだこりゃ。というのが当時考えたこと。

次は浅見さん、どんな春ですか?

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