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【スリムな体型を目指すなら1975年ごはん!?】第2回 1975年代は肥満を抑える効果がある!?
2015/06/09 10:00
通常、カロリーが多いと体重は増加する。健康有益性が高い1975年の食事は、戦後最も多くカロリーを摂っていた。今の1.3倍にも当たる。
そこから摂取量はどんどん下がり、今が最低である。
一番たくさんカロリーを摂っていた時代、日本人の体型はスリムで、その上、今よりずっと健康だった。これが何を意味しているのか?
結論を言うと、1975年の食事には、代謝をよくし、肥満を抑える効果があるということだ。
1975年の食事が太りにくい体質を作ることは、私たちの行った実験によって、裏付けられた。厚生労働省は1952年から毎年、約一万件の家庭を対象に、食事に関するアンケートを行っている。どんな食材を食べていたのかを、詳しく聞き取ったものである。
私たちはまず、そのデータを元に、1960年、1975年、1990年、2005年と、4つの年の食事を再現した。(2005年を現代の食事と考える。)一週間、21食分の献立のレシピを管理栄養士と一緒に作り、実際に調理したのだ。
それらをすべて混ぜ、粉砕し、乾燥したものを、マウスに1カ月間エサとして与えた。
その結果、1975年の食事を与えたマウスが、最も代謝が活発になり、内臓脂肪も少ないことがわかった。8カ月間の長期飼育では、より大きな差が表れた。先の実験に比べて、もっと顕著に代謝が活発になり、内臓脂肪が減ったのである。体重でも明らかな差が表れた。1975年群では平均約46gなのに対し、2005年群は約56gと、1975年群のほうが10g軽かった。これは人間に換算すると、およそ10kgにあたる。
当時の人は、今より6kgスリムだった。しかも、当時は今の1.3倍カロリーを摂っており、一人当たりの米の消費量は1.5倍である。カロリーを今のままで、食事の内容を当時のものにすれば、8kg痩せられる計算になる。
つまり、今の食事に1975年の食事の特徴を取り入れると、太り気味の人の場合、6~10kgは痩せられるのだ。肥満度の高い方は、もっと痩せるだろう。もちろん、痩せすぎることはない。適正な体重になるということである。
次回は「第3回 健康長寿食!?1975年ごはんのポイント」です。
配信日程:6月10日(水)午前10時ごろ予定
【プロフィール】
都築 毅
1975年生まれ。愛知県豊田市出身。
東北大学大学院農学研究科博士課程を修了し、2008年から東北大大学院農学研究科准教授。
専門は食品機能学。趣味はフルート。