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【震災の教訓を生かすために 最新!災害対策の課題】 第2回 地震と津波の警報システム

2015/08/11 10:00


地球は生きています。その証拠に内部や表面で少しながら動きがあります。


その動きは均一ではなく違いがありまして、その差が大きい場所ほど歪みというエネルギーを沢山にため込みます。貯えられた歪みエネルギーが短時間で解放され、揺れや地殻の変化が急激に生まれます。


前者が地震であり、後者は津波になります。


いずれも予知をすることは難しいですが、揺れや水面変動をいち早く捉えれば、リアルタイムでの予測が可能です。現在は、地震波の中で最も到達が早いP波を出来るだけ早く捉えて「揺れの予測」を出す地震早期警報(気象庁では緊急地震速報と呼ぶ)システムがあります。


一方、津波は、地震の規模と位置に基づく予測があり、さらに、海面での観測データを参照し修正する津波警報・注意報のシステムが動いています。


我が国では、1941年に三陸沿岸を対象とした三陸沿岸津波警報組織が生まれ、震源推定後に津波の有無を判断し、その後予報文、伝達ルートを伝えようとする先駆的なものでした。このシステムの全国拡大は、戦争や通信などの問題により実現できませんでした。この間、東南海地震津波(1944)、南海地震津波(1946)が発生し、多数の犠牲を出してしまったのです。1949年、第2次世界大戦の終了と伴に進駐軍により、津波予報を有効かつ迅速に伝えるための組織化を指示され、1952年4月1日から全国的な組織としての津波警報システムが稼働しました。


いまでは、地震の発生後数分で津波の有無や発生した場合、予想到達時間や津波高さの情報が提供されます。ただし、東日本大震災の際には、第一報が過小評価であり、技術的な課題も残されています。


仙台管区気象台では、緊急地震速報などの情報もHPで掲載しております。緊急地震速報とは?緊急地震速報を見聞きしたときは?緊急地震速報の発表状況?など

http://www.jma-net.go.jp/sendai/EEW/eew.html


また、大津波警報・津波警報・津波注意報については、以下のページで確認ください。

http://www.jma.go.jp/jp/tsunami/



次回は「第3回 津波からの避難について」です。

配信日程:8月12日(水)午前10時ごろ配信予定



【プロフィール】

今村 文彦

東北大学災害科学国際研究所所長(津波工学教授)

津波工学や自然災害科学を専門とし、東日本大震災後には、国内外での防災・減災社会構築のための実践的防災学を研究している。