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【仙台は起業の街になりうるか?】第2回 宮城県は新規開業率で日本で二番目

2015/11/03 10:00

我々の街にどのくらい起業家がいるのでしょうか。実は現在、宮城県は全国で起業率が高い都市第2位なのです。






また福岡アジア都市研究所の試算によると、2013年の開業率の2位に仙台市は入っており、福岡の7.1%に次いで6.2%という高い数字を示しています。起業は東北のイメージにそぐわないと思われる方もいる思いますが、この数字はその思い込みを覆してくれます。仙台市によると、開業の相談に来る人々が目指すのは、サービス業、飲食業、ついで小売業が多い。またここ数年女性の相談数が急増しているということです。


仙台が起業家の街となった理由の一つには、なんといっても東日本大震災の影響が大きいです。震災で壊滅的な被害を受け倒産に陥った企業が再建をしたので起業数が多かったという事情もありますが、他方で、震災を機に人生を問い直した人々が、これまでの自分の生き方を見直し、ずっとやってみたかった起業に挑戦したというケースも多数見うけられました。


仙台市産業振興事業団が開催する無料の起業相談には、震災前は年間200件程度の相談しかありませんでしたが、2014年には1,000件に跳ね上がり、これに対応するために産業振興事業団は夜間や休日にも相談窓口を開設することになりました。また震災後、被災地住民のみならず、他地域から移り住んできた人々の起業も目立ちます。



次回は「第3回 災害の後は起業家が増える:ニューオーリンズの復活の事例」です。

配信日程:11月 4日(水)午前10時ごろ配信予定



【プロフィール】

福嶋 路

東北大学大学院経済学研究科教授

地域で活躍する企業の戦略、企業家の活動、企業家の活動を促進する社会的仕組みについて研究している。

編著に『ハイテク・クラスターの形成とローカル・イニシアティブ:テキサス州オースティンの奇跡はなぜ起こったのか』(白桃書房、2015年)がある。

趣味 旅行、温泉、刑事ドラマ・動物番組の鑑賞