みんみん座談会 「NPOにおける人材育成」後編 ~担当者が伝えたい若者育てに関する考えとメッセージ~
2016/01/07 10:00
特定非営利活動法人せんだい・みやぎNPOセンター
ニュースレター2015年11月1日vol.102
みんみん座談会「NPOにおける人材育成」後編
~担当者が伝えたい若者育てに関する考えとメッセージ~
【座談会メンバー】
斉藤信三さん:NPO法人冒険あそび場-せんだい・みやぎネットワーク プレーリーダー(写真左)
村上千恵さん:認定NPO法人杜の伝言板ゆるる(写真左から2番目)
今野純太郎さん:NPO法人Switch 常務理事(写真右から2番目)
●育成を行う際に大事にしていること(3つ)
斉藤:個性を伸ばす。いろいろな人と会う機会を作る。多角的視点からのふりかえりを行う。ここまで言ってみて思うのですが、なかなか難しいですね。まず自分ができているのかと。。。
今野:好奇心を伸ばす。課題を見つける力は想像力から生まれるので、自分が見えていない範囲までも意識しないと発見できません。2つめは視野を広げる。3つめは行動力を高めるでしょうか。今の若者は、よく分からないものに突き進む力が失われている気がしています。おもしろそうだからとりあえずやってみるではなく、こういう安全な結果が予想されるからやってみようという、安全パイをとる人が多い。ですので、結果ありきではなく、目をつぶって走り出すぐらいの力を育てられたらいいのかなと。やらかし過ぎも困りますが、失敗を経験したことが少ない。
小川:イレギュラーな事態に対応しづらいということでしょうか。自然災害はまさにイレギュラー。そのような、ほんの少し先さえも真っ暗闇なところへ一歩踏み出せる、課題を解決し得る人材の育成ということでいえば、まさに今野さんのご指摘通りだと思います。そういう人材育成が、これからの社会創りの要なんでしょうね。村上さんはいかがでしょうか。
村上:出会いと気づきと考えるを挙げます。私たちは中間支援組織なので、当団体を通してしか出会えないような多様なセクターの人との出会いのなかで、将来設計や仕事、人生を考えてもらえたらいいなと思っています。細かいことでいえば、活動を行ううえで、より効率的な事務作業の方法などにも気づき、考える、ということも含みます。
小川:皆さんのご意見すべてに共感します。私が挙げたかったものは既に皆さんに出されてしまっているのですが、あえて他に挙げるとすれば、一つは個の尊重。二つが自由。若者には不必要に枠にはまって欲しくないですね。最後に視点が少し違うのですが、メンターやスタッフが自身の人間力の向上に努めること。これは自分に対しての戒めでもあります。
●NPO活動を考えている人へのメッセージ
今野:若い頃に牧場でアルバイトをしました。その半年間、共に生活しながら働いた人たちがすごく「変な人」だったんです。この場合の変な人は褒め言葉ですよ。たとえば掃除機がものすごく好きな人とか、とにかくそれまで会ったことのないタイプの人たち。学校を卒業して企業に入社して、ではない人が多かったのですが、彼らはすごく活き活きしてました。そうした多様な人との出会いにすごく影響を受けました。その時の経験が今の団体事業に結びついています。
人生のなかで大事な出会いが時々ありますよね。ぜひNPOでの活動をそういう機会にしてもらえたらと思います。NPOの人たちには「変な人」が多いので。生き方は決して一つではないということを知れるのは、NPOならではだと思います。
斉藤:NPOで活動することに興味はあるんだけど、少し不安と思っている人、ぜひトライしてこのおもしろさを感じてもらうことをお勧めします。いろいろな人に会えることも含め、人は自由に生きられるんだということを知って欲しいですね。NPOで活動の醍醐味を知ってもらい、挑戦してみて欲しいです。 自分が大学生の頃を思い返すと、よく「おもしろいことないかな」と自らは動かずに言っていたのですが、逆に自分からチャレンジしておもしろいことを増やしていくこともできるんですよね。世界はおもしろいぞ、ということを体験できるのがNPOだと思います。そういう手応えがたくさん得られますよ。
村上:私が大学の頃は、部活やバイトをしてゼミに参加して。それ以上なにかやっている人は「意識高い系」で、私には無理と思っていました。でもいざ社会人になって考えてみると、あの当時いろいろやっておけばよかったなと。いろいろな生き方をしている人たちに学生のうちに出会っていたら、もっと視野を広げられていたのかもしれないと思っています。NPOの人は、NPO以外の顔も持っている人も多くとても興味深いので、若い時にしか出来ないことにたくさんチャレンジして欲しいですね。
小川:確かにNPOでは多様な人との出会いがたくさん得られますよね。人生のレールは決して1本ではないということにも気付けます。とりあえず、目の前にNPOに関わるチャンスが現れたら、躊躇せずに飛び込んでみたら?ということでしょうか。
豪雨対策でお忙しいところ、本当に有難うございました。
(記録・編集 小川真美)
特定非営利活動法人せんだい・みやぎNPOセンター
ニュースレター2015年11月1日vol.102