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屋根のある人もない人も、かけがえのない命 (前編)

2016/01/11 10:00

みやぎのボランティア市民活動情報誌 「月刊 杜の伝言板 ゆるる」12月号より


屋根のある人もない人も、かけがえのない命 (前編)

=NPO法人仙台夜まわりグループ 理事・事務局長 青木康弘=


「お変わりありませんか?」、「食べていますか?」、「困っていることはありませんか?」。


1人ひとりの安否を確認し、おにぎり等の支援物資を手渡す夜まわり活動を始めて16年目に入ろうとしています。


NPO法人仙台夜まわりグループは、2000年1月から仙台市内で路上生活者支援活動を行ってきました。


今から16年前、仙台市内には、目視できるだけでも300人に及ぶ路上生活者がいました。


彼ら彼女らの要望に応える形で、毎週の「夜まわり」活動(現在は月2回)から、炊き出し、食事会、セミナー、サロン活動、シャワーと洗濯機会提供、有償清掃ヴォランティア、居宅支援、中間就労(リユース・フードファーム)、アフターフォロー支援等へと、活動内容が多岐にわたってきました。これまでに500名以上の方々が、私たちの活動を通して路上生活から脱却を果たし、現在もほぼ毎日の支援活動で当事者と出会い、顔の見える支援活動を行っています。




【路上は社会問題のるつぼ】


これまで仙台市内の路上生活者には、「東北出身の50歳代後半から60歳代の男性」というひとつのパターンがありました。農家の次男、三男が、若いうちに職を求めて関東や関西の大都市に出て行き、年を取って寄る辺ない中、地元の東北に戻ってくる、というものでした。女性は全体の5パーセント前後を推移しています。


路上生活者たちが抱える問題は、様々です。


病気、障がい、高齢、介護、依存症、債務。


これらは全て私たちの社会が抱える課題そのもので、そのような意味で、路上は、現代社会が抱える問題のるつぼなのです。私たちは、そうした彼ら彼女らの抱える複雑な問題解決に向けて丁寧な支援活動を心がけてきました。


しかし、そんな中、2011年に東日本大震災が起こりました。私たちは、震災直後から、支援活動のために備蓄していた物資を活用し、地元の若林区内の被災者のために2週間、炊き出しを行いました。その後も被災地への物資搬送、避難所での炊き出し、仮設住宅への転居手伝い等、路上生活者支援活動と平行して、岩手県、宮城県の被災地を奔走し続けたのです。




〈後編に続く〉



【配信日時】

屋根のある人もない人も、かけがえのない命 (後編)

2016年1月12日(火) 予定



NPO法人仙台夜まわりグループ

〒983-0044 仙台市宮城野区宮千代2-10-12

●TEL:022-783-3123

●E-mail:yomawari@medialogo.com

●URL:http://www.yomawari.net/


みやぎのボランティア市民活動情報誌
「月刊 杜の伝言板 ゆるる」12月号より



http://www.yururu.com/?p=1279