シニアが輝くシニアの居場所 (前編)
2016/02/10 09:57
みやぎのボランティア市民活動情報誌 「月刊 杜の伝言板 ゆるる」 1月号より
シニアが輝くシニアの居場所 (前編)
今年度4月から介護保険制度が改正され、軽度者である要支援1、2の高齢者が受けられる給付サービスの一部が、市町村の手がける事業へと移行することになりました。
すでに、施行が始まっている市町村もありますが、多くの市町村がどのように、地域で高齢者を支えるか、仕組み作りの方法や担い手の育成を模索しています。
去る12月12日、NPO法人とめ市民活動フォーラム主催、登米市と認定NPO法人杜の伝言板ゆるるが共催し、とめ市民活動大交流会が開催されました。午後に行われたパネルトーク『地域の居場所で楽しもう!』では、仙台市内で、シニアの居場所づくりに取り組んでいる3団体が、それぞれの事例を語り、地域の居場所の必要性について、参加者とともに考えました。
多様な世代や地域をつなぎながら
仙台市太白区四郎丸という名取市に近い地域で、20年前から地域に根づいた活動をしているNPO法人FOR YOUにこにこの家(以下、にこにこの家)は、介護ボランテイア入門講座を受講した仲間たちが集まって、活動を始めました。
2003年からは、介護予防事業として、ミニデイサービスをオープンしました。
理事長の小岩孝子さんは、「にこにこの家でミニデイサービスを始めたころは、デイサービスがなく、高齢者を抱える家族が銀行にいく30分でいいから、自由な時間がほしいという声を聞いて、介護保険制度外のサービスを、地域の女性たちが中心となり、有償ボランティアの形で始めました」と当時を振り返ります。
にこにこの家では、東中田地域の20の団体と「ほっとネットin東中田」という地域福祉ネットワークを組んで、地域と連携をはかり、また、仙台市東四郎丸児童館の指定管理者として、運営を担っていることもあり、地元の小学生・中学生のボランティア体験も積極的に受け入れています。
▲ランチで世代間交流
「子どもたちが、言うんです。お年寄りって、元気ないイメージだったけれど、こんなに元気で明るく、いろんなことを知っていて、親切に教えてくれるとは思っていなかった。年を取るのも悪くないって。にこにこの家に通ってきているおじいちゃんおばあちゃんからは、子どもたちに会えることで、十年若返ると喜ばれています」と小岩さんは、多様な世代がつながることの相乗効果について語ります。
▲児童クラブの子どもたちとの交流
「また、今後ますます、地域で高齢者を支えるシニアによるシニアのための有償ボランティアが求められていきます。その仕組み作りを現在、検討中です」と次の展望を語りました。
シニアが支えるシニアの居場所
1995年からシニアのサークル活動を支援しているNPO法人シニアのための市民ネットワーク仙台(以下、シニアネット)は、「いくところがある、会う人がいる、することがある」を合い言葉に、共に助け合いながら「豊かな高齢化社会の実現を目指そうと作られた団体です。
きっかけは河北新報夕刊に連載された「夕陽は沈まない」というキャンペーン記事でした。
1998年にNPO法人化し、サンモール一番町アーケード内のビルへ移転し、会員が自ら活動したいテーマや仲間を見つけ、サークルを運営するスタイルなので、史跡ガイドや短歌、朗読、麻雀など、月曜日から土曜日まで多様な活動が目白押しです。
▲麻雀会議の様子
「ひとりの会員が、複数のサークルに参加しているので、週に数回サロンに足を運んできています」と事務局長の伊豆田勝一さんは、サロンの魅力を語ります。
2015年11月の時点で、シニアネット仙台直営の講座・教室は9つ。会員が自主的に運営しているサークル・活動グループは28あるとのこと。
サークルなどの多くは、参加者から1回500円程度の会費を集め、そのうち1人あたり250円を団体に支払い、残額でコーヒー代や資料代などを賄うシステムになっています。
▲クリスマスパーティの様子
事務局は事務局長の伊豆田さんを含め、8名。有償ボランティアで、会員へサークル運営のアドバイスなどを行い、団体を支えています。
また、仙台市から敬老乗車証の補助があることも、会員が安心して活動に参加し続けられる要因であると伊豆田さんは指摘します。「70歳以上のシニアを集めるには、運転ができなくなる可能性もあるので、交通手段の確保も大事な要素です」
〈後編に続く〉
【配信日時】
シニアが輝くシニアの居場所 (後編)
2016年2月11日(木) 予定
NPO法人FOR YOUにこにこの家
〒981-1101 仙台市太白区四郎丸字神明16-2
●TEL:022-241-0858
NPO法人シニアのための市民ネットワーク仙台
〒980-0811 仙台市青葉区一番町2-5-12 東一番町中央ビル8階
●TEL:022-266-5650
NPO法人シニアサロン井戸端会議
〒980-0801 仙台市青葉区木町通1-2-40 Mビル3階
●TEL:090-8619-3940(高橋)
月刊杜の伝言板ゆるる1月号
http://www.yururu.com/?p=1378
シニアが輝くシニアの居場所 (前編)
今年度4月から介護保険制度が改正され、軽度者である要支援1、2の高齢者が受けられる給付サービスの一部が、市町村の手がける事業へと移行することになりました。
すでに、施行が始まっている市町村もありますが、多くの市町村がどのように、地域で高齢者を支えるか、仕組み作りの方法や担い手の育成を模索しています。
去る12月12日、NPO法人とめ市民活動フォーラム主催、登米市と認定NPO法人杜の伝言板ゆるるが共催し、とめ市民活動大交流会が開催されました。午後に行われたパネルトーク『地域の居場所で楽しもう!』では、仙台市内で、シニアの居場所づくりに取り組んでいる3団体が、それぞれの事例を語り、地域の居場所の必要性について、参加者とともに考えました。
多様な世代や地域をつなぎながら
仙台市太白区四郎丸という名取市に近い地域で、20年前から地域に根づいた活動をしているNPO法人FOR YOUにこにこの家(以下、にこにこの家)は、介護ボランテイア入門講座を受講した仲間たちが集まって、活動を始めました。
2003年からは、介護予防事業として、ミニデイサービスをオープンしました。
理事長の小岩孝子さんは、「にこにこの家でミニデイサービスを始めたころは、デイサービスがなく、高齢者を抱える家族が銀行にいく30分でいいから、自由な時間がほしいという声を聞いて、介護保険制度外のサービスを、地域の女性たちが中心となり、有償ボランティアの形で始めました」と当時を振り返ります。
にこにこの家では、東中田地域の20の団体と「ほっとネットin東中田」という地域福祉ネットワークを組んで、地域と連携をはかり、また、仙台市東四郎丸児童館の指定管理者として、運営を担っていることもあり、地元の小学生・中学生のボランティア体験も積極的に受け入れています。
▲ランチで世代間交流
「子どもたちが、言うんです。お年寄りって、元気ないイメージだったけれど、こんなに元気で明るく、いろんなことを知っていて、親切に教えてくれるとは思っていなかった。年を取るのも悪くないって。にこにこの家に通ってきているおじいちゃんおばあちゃんからは、子どもたちに会えることで、十年若返ると喜ばれています」と小岩さんは、多様な世代がつながることの相乗効果について語ります。
▲児童クラブの子どもたちとの交流
「また、今後ますます、地域で高齢者を支えるシニアによるシニアのための有償ボランティアが求められていきます。その仕組み作りを現在、検討中です」と次の展望を語りました。
シニアが支えるシニアの居場所
1995年からシニアのサークル活動を支援しているNPO法人シニアのための市民ネットワーク仙台(以下、シニアネット)は、「いくところがある、会う人がいる、することがある」を合い言葉に、共に助け合いながら「豊かな高齢化社会の実現を目指そうと作られた団体です。
きっかけは河北新報夕刊に連載された「夕陽は沈まない」というキャンペーン記事でした。
1998年にNPO法人化し、サンモール一番町アーケード内のビルへ移転し、会員が自ら活動したいテーマや仲間を見つけ、サークルを運営するスタイルなので、史跡ガイドや短歌、朗読、麻雀など、月曜日から土曜日まで多様な活動が目白押しです。
▲麻雀会議の様子
「ひとりの会員が、複数のサークルに参加しているので、週に数回サロンに足を運んできています」と事務局長の伊豆田勝一さんは、サロンの魅力を語ります。
2015年11月の時点で、シニアネット仙台直営の講座・教室は9つ。会員が自主的に運営しているサークル・活動グループは28あるとのこと。
サークルなどの多くは、参加者から1回500円程度の会費を集め、そのうち1人あたり250円を団体に支払い、残額でコーヒー代や資料代などを賄うシステムになっています。
▲クリスマスパーティの様子
事務局は事務局長の伊豆田さんを含め、8名。有償ボランティアで、会員へサークル運営のアドバイスなどを行い、団体を支えています。
また、仙台市から敬老乗車証の補助があることも、会員が安心して活動に参加し続けられる要因であると伊豆田さんは指摘します。「70歳以上のシニアを集めるには、運転ができなくなる可能性もあるので、交通手段の確保も大事な要素です」
〈後編に続く〉
【配信日時】
シニアが輝くシニアの居場所 (後編)
2016年2月11日(木) 予定
NPO法人FOR YOUにこにこの家
〒981-1101 仙台市太白区四郎丸字神明16-2
●TEL:022-241-0858
NPO法人シニアのための市民ネットワーク仙台
〒980-0811 仙台市青葉区一番町2-5-12 東一番町中央ビル8階
●TEL:022-266-5650
NPO法人シニアサロン井戸端会議
〒980-0801 仙台市青葉区木町通1-2-40 Mビル3階
●TEL:090-8619-3940(高橋)
月刊杜の伝言板ゆるる1月号
http://www.yururu.com/?p=1378