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【チーズの世界 Q&A】第2回 チーズがムシ歯予防に良い!?
2016/02/23 09:53
Q:チーズがムシ歯防止に良い!?
A:これは日本では本当に良く知られていないことですが、すでにWHO(世界保健機関)では、ムシ歯の予防にはチーズを食べることが良いと推奨しています。
この効果は、より硬質のチーズの方が良いそうです。
写真1 オランダ産が有名なゴーダチーズ(硬質チーズ)
硬質チーズですと、食べる際に良く噛むので沢山の抗菌成分の含まれた唾液が出ます。また、チーズ自体が歯の表面に結合してコーティングをしたりします。
そして、極めつけは、チーズ中の架橋状のリン酸カルシウムがムシ歯で孔の空いた場所(脱灰部位)を埋めて修復してくれるというものです。
この効果は相当なもので、WHOではフッ素のムシ歯予防作用に継ぐ効果と高く位置づけています。
Q:ナチュラルチーズを世界で一番作っている国は?
A:国際酪農連盟(IDF)の発表している最新のデータ(2013年)では、ナチュラルチーズの生産量の第1位はアメリカの505万トン、2位はドイツの227万トン、3位はフランスの178万トンで、上位のトップ10を示します。
ちなみに日本は4.9万トンと少ないですから、下から数えた方が早いことになります。
チーズを沢山輸出している国にはオランダやニュージーランドがありますが、生産量はどちらの国も31万トンです。
アメリカがチーズ生産では世界一位なのに、日本でなじみが薄いのは、アメリカはチーズの消費大国でもあり国内で消費し輸出する余力がないからです。
日本のチーズの総生産量のうちナチュラルチーズは4.9万トンで、消費量は29万トンですから、不足する24万トンはオーストラリアとニュージーランドそしてヨーロッパから大量に輸入しているわけです。
Q:ナチュラルチーズを世界で最もたくさん食べている国は?
A:同様にIDFの発表しているデータ(2013年)では、最もたくさんチーズを消費しているのはアメリカで488万トンで、2位はドイツの196万トン、3位はフランスの166万トンであり、トップ10を示しました。
一方、一人当たりの消費量では、1位はフランスの25.9kgで、2位はアイスランドの25.2kg、3位はフィンランドの24.7kgとなります。
ちなみに、日本は2.2kgと少なく、そのうちプロセスチーズは40%前後です。国内のチーズ総消費量は29万トンなので、これを日本の人口約1.3億人で割ると、約2.2kgの計算になります。
しかし、これは、一人一日当たりにすると何と5.8gにしか過ぎません。
乳肉卵が存在しないと食卓が成り立たない西欧型食事と、肉や魚や野菜をバランス良く食べている和食との差がありますので、一概には数値だけでは比べられません。
しかし、カルシウムが日常的に不足している日本人にとっては、チーズは優れたカルシウムの給源と考えられますので、もっと食べて欲しいと思います。
次回は「第3回 チーズを食べると太りますか?」です。
配信日程:2月17日(水) 配信予定
【プロフィール】
齋藤 忠夫(さいとう ただお)
東北大学大学院 農学研究科教授
より優れた乳酸菌を用いて新機能性ヨーグルトの開発に取り組んでいる。
著書には『畜産物利用学』(文永堂出版、2011年)他、30冊がある。
趣味 ピアノ演奏
A:これは日本では本当に良く知られていないことですが、すでにWHO(世界保健機関)では、ムシ歯の予防にはチーズを食べることが良いと推奨しています。
この効果は、より硬質のチーズの方が良いそうです。
写真1 オランダ産が有名なゴーダチーズ(硬質チーズ)
硬質チーズですと、食べる際に良く噛むので沢山の抗菌成分の含まれた唾液が出ます。また、チーズ自体が歯の表面に結合してコーティングをしたりします。
そして、極めつけは、チーズ中の架橋状のリン酸カルシウムがムシ歯で孔の空いた場所(脱灰部位)を埋めて修復してくれるというものです。
この効果は相当なもので、WHOではフッ素のムシ歯予防作用に継ぐ効果と高く位置づけています。
Q:ナチュラルチーズを世界で一番作っている国は?
A:国際酪農連盟(IDF)の発表している最新のデータ(2013年)では、ナチュラルチーズの生産量の第1位はアメリカの505万トン、2位はドイツの227万トン、3位はフランスの178万トンで、上位のトップ10を示します。
ちなみに日本は4.9万トンと少ないですから、下から数えた方が早いことになります。
チーズを沢山輸出している国にはオランダやニュージーランドがありますが、生産量はどちらの国も31万トンです。
アメリカがチーズ生産では世界一位なのに、日本でなじみが薄いのは、アメリカはチーズの消費大国でもあり国内で消費し輸出する余力がないからです。
日本のチーズの総生産量のうちナチュラルチーズは4.9万トンで、消費量は29万トンですから、不足する24万トンはオーストラリアとニュージーランドそしてヨーロッパから大量に輸入しているわけです。
Q:ナチュラルチーズを世界で最もたくさん食べている国は?
A:同様にIDFの発表しているデータ(2013年)では、最もたくさんチーズを消費しているのはアメリカで488万トンで、2位はドイツの196万トン、3位はフランスの166万トンであり、トップ10を示しました。
一方、一人当たりの消費量では、1位はフランスの25.9kgで、2位はアイスランドの25.2kg、3位はフィンランドの24.7kgとなります。
ちなみに、日本は2.2kgと少なく、そのうちプロセスチーズは40%前後です。国内のチーズ総消費量は29万トンなので、これを日本の人口約1.3億人で割ると、約2.2kgの計算になります。
しかし、これは、一人一日当たりにすると何と5.8gにしか過ぎません。
乳肉卵が存在しないと食卓が成り立たない西欧型食事と、肉や魚や野菜をバランス良く食べている和食との差がありますので、一概には数値だけでは比べられません。
しかし、カルシウムが日常的に不足している日本人にとっては、チーズは優れたカルシウムの給源と考えられますので、もっと食べて欲しいと思います。
次回は「第3回 チーズを食べると太りますか?」です。
配信日程:2月17日(水) 配信予定
【プロフィール】
齋藤 忠夫(さいとう ただお)
東北大学大学院 農学研究科教授
より優れた乳酸菌を用いて新機能性ヨーグルトの開発に取り組んでいる。
著書には『畜産物利用学』(文永堂出版、2011年)他、30冊がある。
趣味 ピアノ演奏