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【心豊かな暮らし方のかたちを考える『ネイチャー・テクノロジーとは?』】第3回 ネイチャー・テクノロジー
2016/04/06 10:08
第3回 ネイチャー・テクノロジー
地球環境問題と少子高齢化問題を同時に解くカギは、人間活動の肥大化を人間の持つ本質的な価値である『心豊か』に暮らすことを担保しながら、停止・縮小することであり、そのためには、『もの』より、精神的な『心の豊かさ』を求めるという社会に誘導する必要がある。
では、精神的な社会に貢献できるテクノロジーやサービスとは何か、それは決して無形のものであるわけではないが、それを明らかにするためには、足場を変えて思考する必要がある。
今日を原点に考える従来型の思考(フォーキャスト思考)で地球環境のことを考えれば、心豊かに暮らす部分を削り我慢の戦略を取ることになる、節水、節電、省エネに代表されるテクノロジーはすべてこの思考から生まれた。
これからますます厳しくなる地球環境制約に対して、これからも我慢を強いるテクノロジーを作り続けることが次世代への責任とはとても思えない。それは将来への責任の先送りでもある。
私たちはこれからどのような環境制約が掛かって来るのか、すでにかなり定量的な知見を持っている。重要なことは、この制約の中で、ワクワクドキドキ心豊かに暮らせるライフスタイルをしっかりイメージし(バックキャスト思考)、それに必要なテクノロジーやサービスを具体的に創り上げる必要がある。(3-1)
3-1.地球環境と豊かな暮らしを天秤にかけるのではなく、地球環境制約の上に心豊かな暮らしの形をつくる
私たちは、そのようなテクノロジーの創出手法をネイチャー・テクノロジ―と呼び研究を続けている。(3-2)
3-2.ネイチャー・テクノロジー(Nature Technology)
これは、4つのアプローチからなる。
①2030年頃の環境制約をベースに厳しい環境制約の中でワクワクドキドキ心豊かに暮らせるライフスタイルを描く。
②描かれたライフスタイルから必要なテクノロジーを抽出する。
③完璧な循環を最も小さなエネルギーで駆動する自然から、必要なテクノロジー要素を探す。
④見つけたテクノロジー要素をサステイナブルというフィルターを通して具体的なテクノロジーにリ・デザインする。この手法を使って、水のいらないお風呂、無電源エアコン、効率の良い小型風力発電機・・・などが生まれ(3-3)、いくつかのものは、すでに市場投入されている。
3-3.ネイチャー・テクノロジーで生まれた技術例
次回は「第4回 心豊かであるということ」です。
配信日程:4月7日(木) 予定
【プロフィール】
合同会社 地球村研究室 代表
東北大学名誉教授 石田 秀輝(いしだ ひでき)
2004年㈱INAX(現LIXIL)取締役CTO(最高技術責任者)を経て東北大学教授、2014年より現職、ものつくりとライフスタイルのパラダイムシフトに向けて国内外で多くの発信を続けている。特に、2004年からは、自然のすごさを賢く活かすあたらしいものつくり『ネイチャー・テクノロジー』を提唱、2014年から『心豊かな暮らし方』の上位概念である『間抜けの研究』を奄美群島沖永良部島へ移住、開始した。
近著;「光り輝く未来が沖永良部島にあった!」(ワニブックス2015)、Nature Technology (Springer 2014)ほか多数
地球環境問題と少子高齢化問題を同時に解くカギは、人間活動の肥大化を人間の持つ本質的な価値である『心豊か』に暮らすことを担保しながら、停止・縮小することであり、そのためには、『もの』より、精神的な『心の豊かさ』を求めるという社会に誘導する必要がある。
では、精神的な社会に貢献できるテクノロジーやサービスとは何か、それは決して無形のものであるわけではないが、それを明らかにするためには、足場を変えて思考する必要がある。
今日を原点に考える従来型の思考(フォーキャスト思考)で地球環境のことを考えれば、心豊かに暮らす部分を削り我慢の戦略を取ることになる、節水、節電、省エネに代表されるテクノロジーはすべてこの思考から生まれた。
これからますます厳しくなる地球環境制約に対して、これからも我慢を強いるテクノロジーを作り続けることが次世代への責任とはとても思えない。それは将来への責任の先送りでもある。
私たちはこれからどのような環境制約が掛かって来るのか、すでにかなり定量的な知見を持っている。重要なことは、この制約の中で、ワクワクドキドキ心豊かに暮らせるライフスタイルをしっかりイメージし(バックキャスト思考)、それに必要なテクノロジーやサービスを具体的に創り上げる必要がある。(3-1)
3-1.地球環境と豊かな暮らしを天秤にかけるのではなく、地球環境制約の上に心豊かな暮らしの形をつくる
私たちは、そのようなテクノロジーの創出手法をネイチャー・テクノロジ―と呼び研究を続けている。(3-2)
3-2.ネイチャー・テクノロジー(Nature Technology)
これは、4つのアプローチからなる。
①2030年頃の環境制約をベースに厳しい環境制約の中でワクワクドキドキ心豊かに暮らせるライフスタイルを描く。
②描かれたライフスタイルから必要なテクノロジーを抽出する。
③完璧な循環を最も小さなエネルギーで駆動する自然から、必要なテクノロジー要素を探す。
④見つけたテクノロジー要素をサステイナブルというフィルターを通して具体的なテクノロジーにリ・デザインする。この手法を使って、水のいらないお風呂、無電源エアコン、効率の良い小型風力発電機・・・などが生まれ(3-3)、いくつかのものは、すでに市場投入されている。
3-3.ネイチャー・テクノロジーで生まれた技術例
次回は「第4回 心豊かであるということ」です。
配信日程:4月7日(木) 予定
【プロフィール】
合同会社 地球村研究室 代表
東北大学名誉教授 石田 秀輝(いしだ ひでき)
2004年㈱INAX(現LIXIL)取締役CTO(最高技術責任者)を経て東北大学教授、2014年より現職、ものつくりとライフスタイルのパラダイムシフトに向けて国内外で多くの発信を続けている。特に、2004年からは、自然のすごさを賢く活かすあたらしいものつくり『ネイチャー・テクノロジー』を提唱、2014年から『心豊かな暮らし方』の上位概念である『間抜けの研究』を奄美群島沖永良部島へ移住、開始した。
近著;「光り輝く未来が沖永良部島にあった!」(ワニブックス2015)、Nature Technology (Springer 2014)ほか多数