50回目を迎えるもったいない市
2016/05/18 09:50
月刊杜の伝言板ゆるる2016年4月号より
50回目を迎えるもったいない市
=ACT53仙台 代表 矢吹 真理子=
※2016年3月末時点の内容です
今から25年前の平成3年1月に「ACT53仙台」は産声をあげました。
地球環境問題が話題となり始めた頃です。「牛乳パックの再利用を進める会(パック連みやぎ)」や安心安全な食べものを購入しようと活動していた「仙台共同購入会(現・あいコープみやぎ)」、そして全国に先駆けた「脱スパイク運動」など、仙台にも市民活動の芽が生まれ、また成果を上げはじめていました。
当時7歳、5歳、3歳の3人の子育てをしながら会社員として働いていた私は、地球温暖化を始めとした地球環境問題に対して、自分に何ができるか考えていました。そして、一人の親として子や孫達の為に「美しい地球を残してやりたい」との思いから、身近なごみ問題から取り組むことにして仲間を募ったのです。それが「ACT53仙台」発足のきっかけでした。
もったいない市
平成3年4月、「第1回もったいない市」を開催。当時はフリーマーケットもない時代でしたから、大賑わいでした。震災の年の4月を除き年2回開催、今年の4月29日には第50回目となる節目を迎えることになりました。
もったいない市は「暮らしを見つめ直し、必要なものを大事につかう生活へ」「家庭で不要になったものは必要とする人にバトンタッチしていく」そんな場の提供と、「リユースを楽しく伝えるお祭り」の場として継続してきました。市民の皆さんに毎回楽しみにしていただいているイベントになっています。
内容を紹介しますと、大人気の「リユースマーケット」では出店者が各家庭で不要になったものなどを持ち寄り販売、もったいない思いを手渡します。「古布の山」では古着やきもの、使い古しの布類【古布】を回収し布類のリサイクルを呼びかけています。
また50回目の今回は、宮城県内で活動するNPOや団体、グループなど、環境・福祉・復興・子どもなどいろいろな分野の方々が自らの活動をアピールし、市民と交流できる場「いもづるネットワークコーナー」を設けることにしました。
震災の時には私達も被災者支援にあたり、ネットワークが生かせました。この会場で多くの交流が生まれ、市民活動の輪が広がるといいなあと期待しています。
▲「もったいない市」青空のもと開催
NPOとしての活動歴史
25年が経過して、市民活動黎明期に共に熱く思いを語り合った仲間達は、それぞれの分野でNPO法人を立ち上げ、事業を継続するための組織基盤を固めて地域社会に根を張っています。その努力には頭が下がります。
翻って私達はACT53仙台を任意団体のままにしました。それは、地球環境問題の重要性の社会的認知度が低く、継続的に組織運営に必要な収入を得られる事業を行うことが難しかったことにあります。
その上、私を始め会員の多くが仕事を持ち、かつ子育てあるいは介護や家事を担う存在であり、専従もしくは活動に多くの時間を割けない状況にありました。問題意識はあったもののなかなか行動に移せない、女性の突き当たる壁や問題は今も昔も変わりませんね。
そのため最初から知恵とアイディア、経験を集約した活動に特化し、買い物ガイドブックの作成などに取り組んできました。それがACT53仙台の特徴ともいえるでしょう。
そして、行政と市民に対するアプローチに力を注ぎ、対等に建設的意見を交わしながら、継続的な働きかけを行いました。仙台市や宮城県は環境行政に力を入れるようになり、私達NPOの意見を様々な施策に反映させてくれました。行政との協働は着実に成果を上げてきたと思います。
また市民に対しては「もったいない市」や環境に配慮した暮らしを実践するための「グリーンコンシューマー養成講座」に力を入れてきました。大人だけではなく子ども向けの「紙芝居」や「買い物ごっこ」にも手ごたえを感じています。
課題と今後の方向
深刻化する地球環境問題は待ったなしの状況です。東日本大震災の時に身を持って実行した「有るもの使って創意工夫で乗り切る暮らし」は結果的にグリーンコンシューマー(環境に配慮した消費)そのものでしたが、残念ながら時と共に忘れ去られようとしています。
震災をきっかけに「持続可能な社会を築いていく、自分もその一員である」ということを伝えきれなかったことはとても残念ですが、今後私達がすべきことを示していると思います。
自らが「環境に配慮した生活や商品を選択し購入する」ということが、環境問題の解決や次の世代のために「大きな力になる」ということに気づき、主体的に実践してほしい。そういう人を一人でも多く育てるために、これまでの「環境学習」のワークショップの内容を見直し、より充実したものにしたいと考えています。
終わりに
ACT53仙台は、「テーマは一人ひとり違っていい」「ゆるやかなネットワーク」「ACT53を活用し、自分の思いを実現する場とする」ことを大事にしてきました。環境問題は様々な切り口からアプローチできます。・・・水・ごみ・空気・土壌の汚染・温暖化・生き物・省エネ・再生可能エネルギー・食・・・など。
アイディアを提案すればメンバー皆で応援し、何ができるか考え、実現に向けて動きます。基本となるのは「地球はひとつ。持続可能な社会を築くための行動」です。
最後に、ACT53仙台は事務局体制にしています。活動に関する交通費や日当などの活動費用は有償です。無償では長続きしませんから。さあ皆さん、是非一緒に活動しましょう!お問合せはお気軽に事務局までどうぞ。おいしいお茶でお待ちしています。
▲ACT53仙台メンバーの皆さん
ACT53仙台
〒983-0852 仙台市宮城野区榴岡3-11-5 コーポラス島田A105
●TEL:022-295-2910、070-5322-2976
●FAX:022-295-2910
●E-mail:act53sendainakama@yahoo.co.jp
●URL:http://blog.canpan.info/act53sendainakama/
月刊杜の伝言板ゆるる2016年4月号
http://www.yururu.com/?p=1523
50回目を迎えるもったいない市
=ACT53仙台 代表 矢吹 真理子=
※2016年3月末時点の内容です
今から25年前の平成3年1月に「ACT53仙台」は産声をあげました。
地球環境問題が話題となり始めた頃です。「牛乳パックの再利用を進める会(パック連みやぎ)」や安心安全な食べものを購入しようと活動していた「仙台共同購入会(現・あいコープみやぎ)」、そして全国に先駆けた「脱スパイク運動」など、仙台にも市民活動の芽が生まれ、また成果を上げはじめていました。
当時7歳、5歳、3歳の3人の子育てをしながら会社員として働いていた私は、地球温暖化を始めとした地球環境問題に対して、自分に何ができるか考えていました。そして、一人の親として子や孫達の為に「美しい地球を残してやりたい」との思いから、身近なごみ問題から取り組むことにして仲間を募ったのです。それが「ACT53仙台」発足のきっかけでした。
もったいない市
平成3年4月、「第1回もったいない市」を開催。当時はフリーマーケットもない時代でしたから、大賑わいでした。震災の年の4月を除き年2回開催、今年の4月29日には第50回目となる節目を迎えることになりました。
もったいない市は「暮らしを見つめ直し、必要なものを大事につかう生活へ」「家庭で不要になったものは必要とする人にバトンタッチしていく」そんな場の提供と、「リユースを楽しく伝えるお祭り」の場として継続してきました。市民の皆さんに毎回楽しみにしていただいているイベントになっています。
内容を紹介しますと、大人気の「リユースマーケット」では出店者が各家庭で不要になったものなどを持ち寄り販売、もったいない思いを手渡します。「古布の山」では古着やきもの、使い古しの布類【古布】を回収し布類のリサイクルを呼びかけています。
また50回目の今回は、宮城県内で活動するNPOや団体、グループなど、環境・福祉・復興・子どもなどいろいろな分野の方々が自らの活動をアピールし、市民と交流できる場「いもづるネットワークコーナー」を設けることにしました。
震災の時には私達も被災者支援にあたり、ネットワークが生かせました。この会場で多くの交流が生まれ、市民活動の輪が広がるといいなあと期待しています。
▲「もったいない市」青空のもと開催
NPOとしての活動歴史
25年が経過して、市民活動黎明期に共に熱く思いを語り合った仲間達は、それぞれの分野でNPO法人を立ち上げ、事業を継続するための組織基盤を固めて地域社会に根を張っています。その努力には頭が下がります。
翻って私達はACT53仙台を任意団体のままにしました。それは、地球環境問題の重要性の社会的認知度が低く、継続的に組織運営に必要な収入を得られる事業を行うことが難しかったことにあります。
その上、私を始め会員の多くが仕事を持ち、かつ子育てあるいは介護や家事を担う存在であり、専従もしくは活動に多くの時間を割けない状況にありました。問題意識はあったもののなかなか行動に移せない、女性の突き当たる壁や問題は今も昔も変わりませんね。
そのため最初から知恵とアイディア、経験を集約した活動に特化し、買い物ガイドブックの作成などに取り組んできました。それがACT53仙台の特徴ともいえるでしょう。
そして、行政と市民に対するアプローチに力を注ぎ、対等に建設的意見を交わしながら、継続的な働きかけを行いました。仙台市や宮城県は環境行政に力を入れるようになり、私達NPOの意見を様々な施策に反映させてくれました。行政との協働は着実に成果を上げてきたと思います。
また市民に対しては「もったいない市」や環境に配慮した暮らしを実践するための「グリーンコンシューマー養成講座」に力を入れてきました。大人だけではなく子ども向けの「紙芝居」や「買い物ごっこ」にも手ごたえを感じています。
課題と今後の方向
深刻化する地球環境問題は待ったなしの状況です。東日本大震災の時に身を持って実行した「有るもの使って創意工夫で乗り切る暮らし」は結果的にグリーンコンシューマー(環境に配慮した消費)そのものでしたが、残念ながら時と共に忘れ去られようとしています。
震災をきっかけに「持続可能な社会を築いていく、自分もその一員である」ということを伝えきれなかったことはとても残念ですが、今後私達がすべきことを示していると思います。
自らが「環境に配慮した生活や商品を選択し購入する」ということが、環境問題の解決や次の世代のために「大きな力になる」ということに気づき、主体的に実践してほしい。そういう人を一人でも多く育てるために、これまでの「環境学習」のワークショップの内容を見直し、より充実したものにしたいと考えています。
終わりに
ACT53仙台は、「テーマは一人ひとり違っていい」「ゆるやかなネットワーク」「ACT53を活用し、自分の思いを実現する場とする」ことを大事にしてきました。環境問題は様々な切り口からアプローチできます。・・・水・ごみ・空気・土壌の汚染・温暖化・生き物・省エネ・再生可能エネルギー・食・・・など。
アイディアを提案すればメンバー皆で応援し、何ができるか考え、実現に向けて動きます。基本となるのは「地球はひとつ。持続可能な社会を築くための行動」です。
最後に、ACT53仙台は事務局体制にしています。活動に関する交通費や日当などの活動費用は有償です。無償では長続きしませんから。さあ皆さん、是非一緒に活動しましょう!お問合せはお気軽に事務局までどうぞ。おいしいお茶でお待ちしています。
▲ACT53仙台メンバーの皆さん
ACT53仙台
〒983-0852 仙台市宮城野区榴岡3-11-5 コーポラス島田A105
●TEL:022-295-2910、070-5322-2976
●FAX:022-295-2910
●E-mail:act53sendainakama@yahoo.co.jp
●URL:http://blog.canpan.info/act53sendainakama/
月刊杜の伝言板ゆるる2016年4月号
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