高校生へ伝えたいNPOの思い~NPOで高校生の夏ボラ体験2016~
その他
2016/08/16 10:30
高校生へ伝えたいNPOの思い~NPOで高校生の夏ボラ体験2016~
NPOで高校生の夏ボラ体験(以下、夏ボラ)は、今年も宮城県内32のNPOの協力により、県内の高校生135名がボランティアに取り組みます。
このプログラムの重要な位置づけとなっている「事前学習会」には、まっすぐな目でNPOの講義を受ける高校生の姿がありました。
受け入れNPOの活動紹介で何となくNPOがどんな活動をしているのかを知り、ボランティア体験先の担当者との顔合わせで不安が消え、ボランティア体験をイメージできるまでの貴重な時間となりました。
人気が高いNPOからのメッセージ
「今年度の事前学習会で出会った高校生の皆さんから、活動に対しての真剣な想いを感じました」と、名取市を中心に活動するNPO法人子育て応援団ひよこ(以下ひよこ)理事長の齋藤勇介さん。「緊張しながらも、真剣な表情でメモを取りながら話を聞く姿。
きっと不安と期待が入り混じっていたのではないでしょうか。そんな新たな経験に自ら一歩踏み出したこと、とても素晴らしいことだと思っています」と、今年の高校生へ期待を寄せています。
▲齋藤勇介さん
昨年のひよこでの夏ボラは、「地域が子育ち親育ちを応援し、見守り、支え合う子育て環境の実現」という団体理念のもと、「遊び」を通じて全力で子どもたちと向き合いながら、その「育ち」を支え、子どもたちや子育て中の親子のホッと出来る居場所作りに取り組みました。
その中で子どもたちや地域の親子の笑顔を育みながらも、「お姉さん、いっしょに遊ぼう!」「こっちおいで〜!」とまっすぐに自分を見つめる子どもたちの眼差しや言葉から、他人に受け入れられることの意味を知り、その笑顔から元気やあたたかな気持ちを得ることが出来たのではないでしょうか。
「NPO活動は営利を目的とした活動ではありません。夏ボラではその活動から得られるものの大きさ、尊さを知る良いきっかけになったと実感しています。これからの社会を担っていく高校生の皆さんにはこの活動を通じて、利益追求だけではない大切な何かを感じて、社会へ出るための階段を一歩ずつ歩んで欲しいと思います」と齋藤さん。
今年は、法人が運営する児童センターで、子どもたちと遊びやスポーツのほか、夏休みに行う行事のサポートを行います。
▲団体のパンフレットをじっくり読み込んで
ママになる前に赤ちゃんと接する機会に
ボランティアを受け入れてくれるNPOは、主催者である杜の伝言板ゆるると日ごろから顔の見える関係であり、未成年の高校生を受け入れるため、活動中に心配りをしてくれる夏ボラ担当者を配置してくれるなど、細やかな対応をお願いしています。
2年前から、夏ボラへの申込みが少しずつ増えてきた石巻圏域。
今年は新たに、石巻市で活動するNPO法人ベビースマイル石巻が体験先に加わりました。
今回、高校生を受け入れた理由を、代表理事の荒木裕美さんにお聞きしました。
「孤立した子育て環境が多い現在では、当事者同士だけではなく、スタッフや地域の方など多様な方との出会い一つひとつが親子にとって社会に接する大切な機会になります。
今回夏ボラを受け入れる理由は、ママ達から、ママになる前に子どもと接する機会や、赤ちゃんや親の気持ちなどを知っていたかったという声が多く、少しでも高校生のみなさんに子ども・子育てを知っていただければという想いがあります。
また、最近、高校や中学校の授業で赤ちゃんとママと交流する時間の協力をしていますが、ママ達が〝自分の子育てが人の役に立つことが嬉しい〞という声がとても多く、学生との出会いは双方によいものだなと実感したことも大きな理由です」。
ベビースマイルが運営する、マタニティ・子育てひろば「スマイル」は、親子が交流できる居場所です。子育て支援には、待機児童問題などでよく耳にする保育所だけでなく、地域の子育てを支援する場があることを知る、考える夏になるはずです。
▲荒木裕美さん(左から2番目)
高校生へ伝えたい思い
「仕事を知る、社会を知る、NPOの思いに触れる、活動を知る、子どもに触れる、子どもを知る、親を知る、親子の姿を知る。ボランティアの活動は、そんな様々な思いにふれ、知る、気づきの一歩なのではないかと私自身も改めて感じました」と、子育て家庭を支援するNPO法人せんだいファミリーサポート・ネットワーク(以下ファミサポ)夏ボラ担当者の小野寺聖子さん。
毎年、夏ボラ体験後には、高校生がボランティアを通して感じたことを体験談として寄せてもらいます。昨年度ファミサポで体験した高校生からは、「目の前で子どもの成長を見られることに感動し、子どもが好きだけでなく、子どもの成長に関わっていきたいと思った」という体験談が寄せられました。
まさに、体験から心を動かされたことを見つめ、自分の将来への道につながる選択に気付いたことは、このプログラムのもう一つの狙いでもあります。
「私たちの活動は、今もそしてこれからも、子育て環境に目を向け、日々子育てに奮闘している母親・父親を力強く支え、応援していくこと。その思いを高校生に伝えていければ」と小野寺さんは、今年の夏ボラへの思いを語ってくれました。
▲高校生と顔合わせをする小野寺さん(右奥)
始まったボランティア体験
7月21日、NPO法人ゆうあんどあいでの活動を皮切りに、今年の夏ボラがスタートしました。ゆうあんどあいでの体験初日は、学校・家族とも違う、人生の先輩である高齢者の皆さんの話し相手。
「今まで、ボランティアを体験したことがなかったので、興味もあって。一人で高校最後の夏休み、挑戦してみようと思ったのが、きっかけです」と、体験に臨んだ高校三年生のYさん。その日の体験が終わるころには「初日なので緊張しましたが新鮮でした。今日以上に、2、3日目は自分からコミュニケーションをもっと取りたいと思います」と、明るく語ってくれました。
今年も、多様な世代・人と出会う夏が始まりました。NPOの数だけ、解決したい思い・ミッション(使命)があります。
さあ、今年の夏は高校生の皆さんにとって、どんなNPOとの出会い・気づきが待っているのでしょうか。
月刊杜の伝言板ゆるる2016年8月号
http://www.yururu.com/?p=1801
NPOで高校生の夏ボラ体験(以下、夏ボラ)は、今年も宮城県内32のNPOの協力により、県内の高校生135名がボランティアに取り組みます。
このプログラムの重要な位置づけとなっている「事前学習会」には、まっすぐな目でNPOの講義を受ける高校生の姿がありました。
受け入れNPOの活動紹介で何となくNPOがどんな活動をしているのかを知り、ボランティア体験先の担当者との顔合わせで不安が消え、ボランティア体験をイメージできるまでの貴重な時間となりました。
人気が高いNPOからのメッセージ
「今年度の事前学習会で出会った高校生の皆さんから、活動に対しての真剣な想いを感じました」と、名取市を中心に活動するNPO法人子育て応援団ひよこ(以下ひよこ)理事長の齋藤勇介さん。「緊張しながらも、真剣な表情でメモを取りながら話を聞く姿。
きっと不安と期待が入り混じっていたのではないでしょうか。そんな新たな経験に自ら一歩踏み出したこと、とても素晴らしいことだと思っています」と、今年の高校生へ期待を寄せています。
▲齋藤勇介さん
昨年のひよこでの夏ボラは、「地域が子育ち親育ちを応援し、見守り、支え合う子育て環境の実現」という団体理念のもと、「遊び」を通じて全力で子どもたちと向き合いながら、その「育ち」を支え、子どもたちや子育て中の親子のホッと出来る居場所作りに取り組みました。
その中で子どもたちや地域の親子の笑顔を育みながらも、「お姉さん、いっしょに遊ぼう!」「こっちおいで〜!」とまっすぐに自分を見つめる子どもたちの眼差しや言葉から、他人に受け入れられることの意味を知り、その笑顔から元気やあたたかな気持ちを得ることが出来たのではないでしょうか。
「NPO活動は営利を目的とした活動ではありません。夏ボラではその活動から得られるものの大きさ、尊さを知る良いきっかけになったと実感しています。これからの社会を担っていく高校生の皆さんにはこの活動を通じて、利益追求だけではない大切な何かを感じて、社会へ出るための階段を一歩ずつ歩んで欲しいと思います」と齋藤さん。
今年は、法人が運営する児童センターで、子どもたちと遊びやスポーツのほか、夏休みに行う行事のサポートを行います。
▲団体のパンフレットをじっくり読み込んで
ママになる前に赤ちゃんと接する機会に
ボランティアを受け入れてくれるNPOは、主催者である杜の伝言板ゆるると日ごろから顔の見える関係であり、未成年の高校生を受け入れるため、活動中に心配りをしてくれる夏ボラ担当者を配置してくれるなど、細やかな対応をお願いしています。
2年前から、夏ボラへの申込みが少しずつ増えてきた石巻圏域。
今年は新たに、石巻市で活動するNPO法人ベビースマイル石巻が体験先に加わりました。
今回、高校生を受け入れた理由を、代表理事の荒木裕美さんにお聞きしました。
「孤立した子育て環境が多い現在では、当事者同士だけではなく、スタッフや地域の方など多様な方との出会い一つひとつが親子にとって社会に接する大切な機会になります。
今回夏ボラを受け入れる理由は、ママ達から、ママになる前に子どもと接する機会や、赤ちゃんや親の気持ちなどを知っていたかったという声が多く、少しでも高校生のみなさんに子ども・子育てを知っていただければという想いがあります。
また、最近、高校や中学校の授業で赤ちゃんとママと交流する時間の協力をしていますが、ママ達が〝自分の子育てが人の役に立つことが嬉しい〞という声がとても多く、学生との出会いは双方によいものだなと実感したことも大きな理由です」。
ベビースマイルが運営する、マタニティ・子育てひろば「スマイル」は、親子が交流できる居場所です。子育て支援には、待機児童問題などでよく耳にする保育所だけでなく、地域の子育てを支援する場があることを知る、考える夏になるはずです。
▲荒木裕美さん(左から2番目)
高校生へ伝えたい思い
「仕事を知る、社会を知る、NPOの思いに触れる、活動を知る、子どもに触れる、子どもを知る、親を知る、親子の姿を知る。ボランティアの活動は、そんな様々な思いにふれ、知る、気づきの一歩なのではないかと私自身も改めて感じました」と、子育て家庭を支援するNPO法人せんだいファミリーサポート・ネットワーク(以下ファミサポ)夏ボラ担当者の小野寺聖子さん。
毎年、夏ボラ体験後には、高校生がボランティアを通して感じたことを体験談として寄せてもらいます。昨年度ファミサポで体験した高校生からは、「目の前で子どもの成長を見られることに感動し、子どもが好きだけでなく、子どもの成長に関わっていきたいと思った」という体験談が寄せられました。
まさに、体験から心を動かされたことを見つめ、自分の将来への道につながる選択に気付いたことは、このプログラムのもう一つの狙いでもあります。
「私たちの活動は、今もそしてこれからも、子育て環境に目を向け、日々子育てに奮闘している母親・父親を力強く支え、応援していくこと。その思いを高校生に伝えていければ」と小野寺さんは、今年の夏ボラへの思いを語ってくれました。
▲高校生と顔合わせをする小野寺さん(右奥)
始まったボランティア体験
7月21日、NPO法人ゆうあんどあいでの活動を皮切りに、今年の夏ボラがスタートしました。ゆうあんどあいでの体験初日は、学校・家族とも違う、人生の先輩である高齢者の皆さんの話し相手。
「今まで、ボランティアを体験したことがなかったので、興味もあって。一人で高校最後の夏休み、挑戦してみようと思ったのが、きっかけです」と、体験に臨んだ高校三年生のYさん。その日の体験が終わるころには「初日なので緊張しましたが新鮮でした。今日以上に、2、3日目は自分からコミュニケーションをもっと取りたいと思います」と、明るく語ってくれました。
今年も、多様な世代・人と出会う夏が始まりました。NPOの数だけ、解決したい思い・ミッション(使命)があります。
さあ、今年の夏は高校生の皆さんにとって、どんなNPOとの出会い・気づきが待っているのでしょうか。
月刊杜の伝言板ゆるる2016年8月号
http://www.yururu.com/?p=1801