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「食」を正して健康な体と穏やかな心

2016/08/19 10:01

「食」を正して健康な体と穏やかな心
NPO法人おりざの家


「食事は、生きていくには欠かせないことです。でも、その食べる物(食材・献立)や食べる環境によっては、その人にとって心身の健康につながっていないこともあるのです。」と話すNPO法人おりざの家の代表、佐藤宏美さん。

「おりざ」とは、ラテン語で「稲」を表す言葉。「稲」、つまり日本では主食となるお米です。栄養豊富な胚芽を取らない玄米を主食に、野菜を中心とした副菜で、昔からの食生活を大事にした食べ方を皆さんに普及することと合わせ、食卓を囲む家族の食べ方も見直す取り組みをしています。


▲おりざの家

日本の自然の恵みを食す

山元町出身の佐藤さんは、縁あって仙台市太白区長町に嫁ぎ、4世代家族の台所を預かることになり、慣れない食事準備や家事などに懸命に取り組んできた結果、体調の不良から倒れ、病院を渡り歩くことに。ストレスが原因と分かり、健康を取り戻すには自助努力が必要と考えた時、自然療法の大家、東条百合子氏に出会い、玄米中心の食生活改善に取り組みました。

食べ方を変えたことで徐々に元気が出てきて体調も回復していったそう。いかに「食べる力」は大きいことか、と身をもって知った佐藤さんは、良いことは黙っていられない、人に伝えたい!と長町の地で料理教室を20年前から開いてきました。

現在は、忙しさのあまり家庭から失われつつある行事や祝い事などを見直そうと、日本の四季折々の節句や記念日、お祭りなどの伝統行事の際に食す「行事食を味わう」講座を毎月のように開催しています。

五節句と言われる1月7日の七草節句、3月3日の桃の節句、5月5日の端午の節句、7月7日の七夕、9月9日の重陽の節句をテーマにしたほか、2月の節分や8月のお盆、9月の十五夜など、四季折々の行事食を味わい、そこに伝わる「心」を学ぶ講座です。

始めたころは定員12名で1日だけでしたが、希望者が多くなり、今は3日連続で開催しています。食べるだけではなく、作りたい人向けに、フォローアップ教室もあります。

このほか、玄米自然食料理教室は、毎月、入門編が2回、基礎編が1回、上級編が1回、精進料理教室は年に4回開催しています。

8月は、25日(木)、26日(金)、27日(土)の行事食を味わう「十五夜の会」があります。定員12名で予約が必要ですので、お早めに!


▲七夕の会の料理

子どもの一生を左右する食事

「今、共働きや生活時間の違いから朝食を食べない子どもが増えています。親が朝食を作らない家庭もあります。子どもは、登校してから時間が経ち空腹感を覚えると苛立ち、暴力的になる傾向があります。これは忙しいで済まされることではないと思います」と佐藤さんは話します。

食事は、何を食べるかだけではなく、誰と一緒に食べるのか、という食卓を囲む環境も合わせ、子育ての中でも「どう子どもを育てたいのか」が問われる大事な食育です。

食卓を囲むことで子どもとの会話が進み、子どもが何を食べたかを把握できる。そして食事の準備に子どものお手伝いを入れることで、子どもも食事の支度を覚える。

このような積み重ねで、子どもは身の回りのことがしっかりできる自立した生き方を学んでいく、と佐藤さんは考えています。

そして「でも、今の母親自体、病気ではないけど健康ではない、元気な体で子育てしていないように感じるの」と続けました。

まずは、母親が食生活を改善して健康になることが重要なのではないでしょうか。


▲落ち着いた室内

みんなで食べる「おりざの食卓」

おりざの家は、孤食になりがちな子ども、高齢者が、昔の大家族のように皆で食卓を囲める環境を作る「おりざの食卓」を9月から始めます。「きちんとした食生活」を目指し、次の3つにこだわっています。
一、旬の食材を使った手作りの味
二、本物の調味料を使用
三、感謝の心、命を大切に頂く心を養う

「共働きやシングルのお母様、お父様へ」と書かれたチラシには、「今日は夜勤。うちの子、今日も一人ぼっちで夕飯・・・」「一人の時でも季節の野菜や手作りの食事をさせたいな。」というときは、「おりざの食卓へ」、と呼びかけています。

毎週木曜日の16時から19時半まで。利用したい場合は、事前登録が必要です。
また、この活動を支援する調理ボランティアや資金を提供するサポーターも募集しています。詳細は、おりざの家に問い合わせてください。


▲おりざの家の地図

NPO法人おりざの家
〒982-0011 仙台市太白区長町一丁目12-14
●TEL/FAX:022-249-1625
●URL:http://oriza1.jimdo.com/

月刊杜の伝言板ゆるる2016年8月号

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