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組織を自己評価し、それを客観評価する エクセレントNPO大賞

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2016/11/18 10:03

組織を自己評価し、それを客観評価する エクセレントNPO大賞

今や、NPO法人の設立数は全国で5万1千団体、一般社団法人は5万団体を超えている今、「数は増えたものの、社会を大きく変える力にはまだなっていない」と述べている「『エクセレントNPO』をめざそう市民会議」(以下「市民会議」)は、アメリカの経営学者だったドラッカーの思想をもとに望ましい非営利組織像としての「エクセレントNPO」の概念を打ち出し、「市民性」「課題解決力」「組織安定性」の3つを基本条件とする「エクセレントNPO」の評価基準の普及活動に取り組んできました。

平成24年から「エクセレントNPO大賞」を公募により表彰し、今年は第4回目の審査です。市民会議のホームページには、理事である田中弥生さんが「エクセレントNPO」についてメッセージを出していますので以下、抜粋して掲載します。

なぜ「エクセレントNPO」なのか

私たちはNPOに対してある種の危機感を持っていました。それは、いま、より多くの人たち、さまざまな層の方々が、広域的な活動、社会貢献の活動に参加したいと思っているなか、その受け皿に、いまのNPOセクターはなっていないのではないか、というものです。その原因は、NPOが大きく3つの課題を抱えているからだと考えました。

その一つが、活動を維持するための組織が安定していないということです。それから、社会変革の担い手になりたいという願望を持っているのですが、そのための計画立案や組織の体制が整っていないこと。そして、私たちが一番懸念したのは、市民参加の受け皿になるべきこの非営利組織が、市民との距離を開いてしまっていることです。それは、自分たちで参加の受け皿である寄付やボランティアを集めなくなっているということもあるのですが、同時に、社会的な信用を失墜させてしまうような事態がNPOの間でいくつか散見されていることです。

それは「NPOは法人数が急増する中で、その設立者、設立目的や活動形態の多様化が進んでいるが、一方で、目指すべき非営利組織像が見えなくなり、何が正しいのか、何が誤っているのかその芯となるものが揺らいでいるのではないか」という問題意識です。

そこで、私たちはもう一度原点に立ち返り、望ましい非営利の姿を明らかにし、非営利組織がそれを目指して切磋琢磨しあう環境を、市民社会の中に作ろうと考えました。そのために私たちは民間非営利組織論の基本を参照しながら、NPOセクターの現状分析から導かれた課題をもとに、「望ましいNPO像」を考えました。そうして到達したのが、次の「エクセレントNPO」の定義なのです。

「エクセレントNPO」とは、次のような条件を満たす非営利組織を指します。「自らの使命のもとに、社会の課題に挑み、広く市民の参加を得て、課題の解決に向けて成果を出している。そのために必要な、責任ある活動母体として一定の組織的安定性と刷新性を維持している。」

三つの基本条件

「エクセレントNPO」の基本条件は、日本の非営利セクターが抱える3つの課題から導かれています。
第一課題:NPOと市民とのつながりが希薄になっている。
第二課題:NPOやNGOに求められた課題の解決力に疑問がある。
第三課題:活動や組織を持続可能なものにどう築いてゆくか。

第一の基本条件は「市民性」
「市民性」とは、非営利組織の活動が広く市民に対して参加の機会を提供することをさします。より具体的にいえば、寄付やボランティアといった様々な形態での組織への参加の募集を市民にわかりやすい形で公開し、かつ、参加してくれている寄付者やボランティアを団体の参加者としてきちんと意識した上で、彼らをマネジメントしていくということです。

これは、多くの非営利組織が主な収入を行政委託や収益活動に傾斜して寄付や会費を集める努力を怠っており、また、ボランティアを集めていない組織が相当数存在していることなど、非営利組織と市民とのつながりが希薄になっているという課題に対応している基本条件です。

第二の基本条件は「社会変革性」
「社会変革性」とは、社会的な課題に対して、その原因を視野に入れた解決策を提案し、実行することによって、その効果が広く社会に普及してゆき、その結果、人々の生活の質や行動様式が大きく変化していくことをさします。これは、長期間その事業や活動に変更がない組織が多く、また中長期の視点を欠いている組織が多いなど、組織の課題解決力に疑問がある、という課題に対応しています。

社会的なサービスを提供する活動に加え、政策提言活動の提言は、政治や行政府機関のみを対象に行うのではなく、広く多くの市民から支持されていることが重要です。

第三の基本条件は「組織安定性」
「組織安定性」とは、組織の使命、目的を達成するため一定の持続性をもって活動し、一定の活動内容、方法に安住することなく、対象や社会環境の変化を見据えて、不断の見直しをして、創意工夫力や課題発見力を発揮して、活動や組織を刷新していくことをさします。

つまり、組織がその持続性だけでなく刷新力をも有しているということをもって、組織安定性があるということができるのです。これは、不安定な財政状態をいかに克服するのか、資金調達や活動における規律や倫理性が不足していないか、活動や組織を持続可能なものにどう築いていくか、という課題に対応している基本条件です。

READYFOR?にチャレンジ

第4回となる2016年度の「エクセレントNPO大賞」の選考から、評価基準を改定し、市民からの共感性の視点を取り入れ、多くの方が審査に参加するために審査の過程にクラウド・ファンディングを取り入れました。宮城県からは、2団体がエントリーしています。


■NPO法人にじいろクレヨン
『ストレスを抱える石巻市の子どもたちへ!遊べる居場所を作りたい』
●URL:http://readyfor.jp/projects/nijiiro
宮城県石巻市を中心に、被災した子ども達が自分を開放して気兼ねなく遊ぶことが出来る居場所を作り続けていきたい!ボランティアスタッフの方々に支えられて宮城県石巻市を中心に年間36回程度の活動を継続してきました。今回は、宮城県石巻市及び東松島市の3ヵ所の仮設住宅の集会場等を活用し活動していく予定ですが、そのための活動費用が不足しています。被災した子どもや住民の心に寄り添いながら、遊びやアートを通したのびのびと自己表現できる環境を作っていくため、活動費用のご支援を頂けないでしょうか。


■認定NPO法人杜の伝言板ゆるる
『創刊20周年! NPOを応援する市民活動情報誌を継続発刊したい』
●URL:http://readyfor.jp/projects/yururu
今回は、情報誌を発行するにあたり、自助努力で捻出しきれずどうしても資金不足になってきた発行経費を得て、来年5月に迎える創刊20周年号まで継続発行したい!また、
20周年を迎えるにあたり、皆さんから情報誌発行に対しての「これまで」の声と、このまま継続的に発行するための「これから」の声をお聞きしたい!というためにチャレンジしています。

「エクセレントNPO」を目指そう市民会議
●URL:http://www.excellent-npo.net/index.php/ja/

月刊杜の伝言板ゆるる11月号

http://www.yururu.com/?p=1896