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欲しい未来へ、寄付を贈ろう。 Giving December 寄付月間2016

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2016/12/15 11:51

欲しい未来へ、寄付を贈ろう。 Giving December 寄付月間2016

この寄付月間は、NPO、大学、企業、行政などで寄付に係る主な関係者が幅広く集い、寄付が人々の幸せを生み出す社会をつくるために、12月1日から31日の間、協働で行う全国的なキャンペーンです。
2回目となる今年は、この民間発のイニシアチブを政府も閣議決定で後押しすることとなり、さらに規模を拡大し、賛同法人数及び公式認定企画も約3倍になっています。全国の賛同団体による様々なイベントやキャンペーンなどのアクションが始まりました。今年は、NPO法人杜の伝言板ゆるるも賛同団体としてエントリーし、この月刊ゆるるの誌面で「寄付月間2016特集ページ」が公式認定企画となりました。 これから宮城のNPOが取り組む寄付活動を紹介します。

詳しくはこちら http://giving12.jp/

クラウドファンディングで寄付の成功体験

最近注目を集めているのが、インターネットによるクラウドファンディングです。群衆(Crowd)と資金調達(Funding)という言葉を組み合わせた造語で、様々な理由でお金を必要としている人に対して共感した人が、一口1,000円程度からインターネットを通じて寄付をすることで、広く資金を募る仕組みです。NPOに限らず企業や個人などもチャレンジしていますが、今回は、日本発のクラウドファンディング「READYFOR」にチャレンジし、目標を達成した3つのNPOから体験談を聞きました。

NPO法人20世紀アーカイブ仙台

NPO法人20世紀アーカイブ仙台は、古き仙台はどんな姿だったのかを市民に伝え、過去とのつながりを実感できるよう映像・写真・音楽などを記録保存(アーカイブ化)し、後世に残す活動をしている団体です。東日本大震災後、市民に呼びかけて身近な震災の中の生活を写した写真を収集し、写真集『3.11キヲクのキロク』を発刊しました。

全国の図書館にこの写真集を送り、もっと全国の人々に見て知って欲しい、今後起きるかもしれない震災をこれらの記録からイメージして欲しいという思いからクラウドファンディングにチャレンジしました。

目標を達成するにあたり、Facebookやツイッターなどを活用し、寄付を呼びかけ、チャレンジ期間に起きた出来事や寄付の集まり具合の経過など、小まめに新着情報として発信しました。結果、目標額を超える支援が集まり、寄せられた寄付は冊子代や発送料として活用され、全国の都道府県立図書館57ヵ所、東京都内51ヵ所の図書館へ、216冊届けることが出来ました。

「目標額を達成できたことだけでなく、READYFORのサイトに団体の情報が掲載されることによって、活動を全国にアピールできたことも大きな成果です。寄付を得るためには、多くの方々の共感を得ることが必要。シンプルな言葉で、自分の活動の社会的ミッションをブレなく伝えていく格好のトレーニングになりました」と副理事長の佐藤正実さんは振り返ります。

後日、図書館で、写真集を見た方から手紙が届きました。「震災後、テレビで流れていた映像とは違う市民の姿を見ることが出来た」と書かれていたとのこと。団体の思いが確実に伝わった証となりました。

▲20世紀アーカイブ仙台のメンバー

プロジェクト名
「全国47都道府県立図書館に市民が撮った3.11記録集を届けます」
■チャレンジした時期:
2013年10月11日~2013年12月9日
■目標金額:1,380,000円
■達成金額:1,470,000円
■支援者数:185人
●URL…http://www.20thcas.or.jp/

NPO法人麦の会

NPO法人麦の会は、障がいのある人もない人も、共に生き共に働ける社会を目指し、国産の小麦と安心な材料を使ったクッキーとパンのお店『コッペ』を運営しています。障がい者が働くための施設ではなく、普通のパン屋さんに、たまたま障がいのある人も働いている、それがコッペです。

コッペで働く障がいメンバーの給料は平均約5万円。あと1万~2万円プラスして、障害年金と合わせ自立した生活ができることを目指しています。そのために、コッペの活動と商品をもっと広めていく必要があり、READYFORにチャレンジしました。無事、目標額を達成し、その年の夏には、ボーナスを支給することができました。

「メールや手紙などを個別に送り、寄付のお願いをしました。宣伝は大変でしたが、これを機に、なかなか連絡を取っていなかった知人などに連絡し、麦の会の活動を改めて伝えることができました」と代表理事の飯嶋茂さんは話します。「返礼品としてクッキーを送ることで、コッペのクッキーや麦の会の活動を知ってもらえたことが、お金より大きいです」寄付者のなかには、自身も障がいをもったお子さんがいる方からの寄付もあり、「こういった活動もあるんですね」という声が聞かれました。

コッペで作っているクッキーの中には、フェアトレードで輸入された原料を使用しているものもあります。これらの原料を使ったクッキーを販売することで、フィリピン、パレスチナ、中南米やアフリカなどの小規模生産者の支援にも繋がりました。

麦の会は、2015年に、仮認定NPO法人になりました。麦の会へ寄付をすると、税制優遇が受けられます。引き続き、障がいを持つ方々が自立した生活を送ることができるように、支援を呼びかけています。

▲クッキーづくりに励むコッペのメンバー

プロジェクト名
「フェアトレード原料でクッキーを作り、障害者の自立へつなげる」プロジェクト
■チャレンジした時期:
2014年5月30日~2014年7月9日
■目標金額:300,000円
■達成金額:448,000円
■支援者数:46人
●URL…http://www.muginokai-koppe.com/index.php

NPO法人鳴子の米プロジェクト

温泉観光地として有名な鳴子温泉地域では、山間地域としての課題を多く抱えていました。鳴子の田んぼや農村風景、暮らしを守るため地域が一丸となって立ち上がったのが、鳴子の米プロジェクトです。

山間地でしか作れない新品種「ゆきむすび」と出会い、鳴子温泉に希望の米が誕生しました。そのゆきむすびを鳴子温泉でも食べてもらおうとオープンしたのがおにぎり屋「むすびや」でした。地元だけでなく、観光客からも人気で、温泉に入りながらおにぎりを買いに来るリピーターもいましたが、東日本大震災後、賃借していた建物は壊されることとなり、むすびやは営業ができなくなりました。

今回、READYFORと連携して、「みやぎ 食と農のクラウドファンディング」に取り組んでいる宮城県からの呼びかけにより、むすびやを復活するための資金を集めることになりました。

「団体発足以来、人のネットワークを大切に活動し続けて、今年で11年目になります。そのネットワークを最大限に活かす機会となりました。実際取り組んでみて実感したのは、一斉送信での寄付のお願いは効果が低いこと。ひとりひとりに電話などで直接声をかけたことが、目標達成に繋がったと思います。寄付者の顔が見えることで、信頼関係が深まりました。

引き続き、作り手と消費者をつなげ、地域の活性化に努めていきたいです。また、高齢化が進むこの地域で、ゆくゆくは独居のお年寄りへ食事を届ける活動にも取り組んでいきたいです」と理事長の上野健夫さんは語ります。

現在の事務所店舗の一部を改築し、2017年4月に、むすびやは復活する予定です。おむすび販売だけでなく、地域の農を守る価値を発信し、地域活性化の拠点になることを目指しています。

▲復活が待ちどうしい「むすびや」

プロジェクト名
「鳴子の米プロジェクト、伝説のおにぎり屋「むすびや」を復活!」
■チャレンジした時期:
2016年9月15日~2016年11月14日
■目標金額:2,500,000円
■達成金額:2,703,000円
■支援者数:168人
●URL…http://www.komepro.org/

杜の伝言板 月刊ゆるる12月号

http://www.yururu.com/?p=1955